オリエンタルランドの株価上昇の要因は○○か?

 

 

作者秘密

 

 

2020年5月26日のオリエンタルランド(東京ディズニーリゾート・以下TDR)の株価が16,000円の戻り高値を付けた。

 

新型コロナウイルス感染症対策による自粛が行われて一月過ぎた3月13日のTDR株の安値が11,250円であり、そこから緊急事態宣言による自粛期間中に42%も値を上げたことになる。

 

その間TDRは社員の一時帰休なども行っており、緊急事態宣言が首都圏で解除になったとはいえ、再開には程遠い状態にも関わらず株価は続伸し続けていた。

 

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では、その要因は一体なんなのであろうか。

筆者はTDRの従業員の雇用形態にあると考えている。

その最大の要因は全従業員の8割以上が終身雇用を前提としたいわゆる正社員ではないからである。

 

ある労働組合の2019年のアンケートであるが、65歳定年延長について「現在の継続雇用を廃止して定年延長制度を導入する」という回答は16.2%に過ぎず、「継続雇用も併存を希望」79.6%の足元にも及ばない結果であった。

終身雇用を原則推進している労働組合としてはとてもショックな結果であった。

 

従業員自体がこれ以上の正社員での定年延長を望んでいないのである。

理由としては、

①パートタイムなどが選択でき、ライフワークに合わせた働き方を望む

②健康上の問題、家族の介護などもあり継続雇用者として働きたい

③責任のある仕事から解放されたい

などの意見が目立った。

 

ここ10年間を振り返ってもリーマンショックや東日本大震災そして今回の新型コロナウイルス感染症など、経営者がどんなに優秀でも予測できない事象においてまで労働者の雇用を守る必要があるのだろうか。

今後の経済の迅速な回復を測るのに終身雇用の重荷を捨てることも選択肢として入れるべきではないのか。

 

住宅ローンも10数年前までは固定金利と変動金利では安定した固定金利を選択した方が多かったが、ここ30年明らかに変動金利で借りた方が低金利で借りられた。

固定金利はリスクを金融機関が負うが、変動金利のリスクは個人が負うことになる。

 

金利差とはリスクプレミアムのことなのだ。

サラリーマンの終身雇用上の賃金は新入社員が一番安く定年間際が一番高くなるのも、60歳の賃金が40万円として1年の金利1%として割ると、59歳の賃金が396,000円となるのと同じように、20歳ではその40倍の割引率となるのと同じことである。

 

あくまでも単利計算となるが、

1年分 4,000円 ×40年 = 16万円

40万円 - 16万円 = 24万円 

 

この様に日本の賃金体系は能力給ではなく、割引率でシステマチックに計算されただけのものなのだ。

 

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日本の労働分配率は約30%とも言われている。

(*中島注釈:売上高の30%くらいを従業員の給料にできるという意味です。)

 

しかし、この源泉である人的資産は貸借対照表には記載されていない

もし、一人当たりの賃金が年300万円として割引率(労働分配率)30%ならば 

300万円 ÷ 0.3=1,000万円の永久財産となるはずなのだ。

 

40年勤務で一人当たり4億円の資産となる。

人的財産を資産計上し効率化を図れば株価は2倍から3倍になると確信している。

 

ニューヨーク証券取引所上場2,356社の時価総額は約1,700兆円であり、東京証券取引所上場2,651社の時価総額約600兆円の約3倍である。

日本の代表株価指数は日経225平均株価であるが、ニューヨークはダウ平均30種である。

日経平均は225社の大企業のかたまりで、そこからの新聞購読や広告収入を得ようとしている「ぐるなび」みたいなものである。

 

しなしながら、ダウ平均30種はナスダックも含めた5,000社以上の中から30社しか選ばれていない。

例えるならミシュランの3つ星的なブランド企業なのだ。

日経225社も日本を代表する225社ではあるものの、ダウ30ほど厳選されていない。

 

日米では、この様な会社に投資が集まり、より高度な戦略を立てられる資金を調達できるのだ。

元々、リスクとリターンの関係からすると、経済学の理論では、ハイリスクのバイトの方がローリスクの正社員よりも給料が良いのが正解なのだ。

 

「私はバイトなので年収800万円」「僕は正社員だから年収240万円」となるのが、本来の経済学理論である。

日本ではもちろん逆である。

「私はハイリスクのバイトなのに年収240万円」「低リスクの正社員なのに年収800万」となるのである。