数日前、こちらの記事を書きました。
USJは最初大阪市の第3セクターとしてスタートしましたので、USJは公共投資なんです。
ということで、ある方が書かれたレポートをご紹介します
金融政策の難しい部分は飛ばしてもいいです。
特に経済学部、経営学部の学生さんは読める範囲で読んでみましょう
USJ型公共投資は金利や物価上昇で経済効果無効になるのか
作者秘密
新型コロナウイルス問題で世界中の株式市場が大暴落している。
回復の見込みはいまのところ解らないが、アメリカや日本では現金を国民に支給(配布)する。
現金支給という形で公共投資するのである。
一方、台湾では国民はマスクを購入できなくなり、政府が国民に配布している。
ところが供給不足で十分に配布できていないそうである。
マスクという現物支給で、国民が自由に変えないとは、まるで共産主義経済の計画経済である。
脱線するが、日本では数年前から台湾ブームで台湾は日本人観光客で稼げたはずである。
コロナショックで観光収入はどうなるのだろう。
(*写真は台湾のテーマパーク、六福村主題遊楽園)
話を戻して、経済用語ではベーシックインカム(長期)とかヘリコプターマネー(短期)とか言われている。
マネタリストなどはこのような金融政策を優先させマネーを潤沢に供給しこの不況を乗り切るというものだ。
しかしながら現金支給は即効性があるが長期間続けると貯蓄性向が高くなり乗数効果を妨げる。
また、信用収縮をともなう失業率上昇のなかで安定した雇用を創出できるかははなはだ疑問である。
このような公共投資はどうかと思う。
日本では現在、日銀の政策金利はマイナス金利であり、総需要政策をとっても理論上はクラウディングアウト(物価の上昇が金利上昇を生み総需要政策が無効になる)が起きる状況にはないと考えられる。また、失業率が増加した中では賃金の上昇は見込まれず、コストアップインフレの可能性も無い。
しかしながら、これは50年以上の昔の為替の固定相場制度の中でなら可能であろう。
変動相場制をとっている現在、日本(小国)の公共投資は需要の拡大により金利の上昇が見込まれるので、国債は買われ(フォワードディスカウントバイアス「信用不安のある国の通貨は金利が高いので理論値よりも債権は割高になる」)円高になって輸出が減少してしまう。
このような現象をマンデルフレミング効果といい、公共投資による総需要政策は無効になり、通貨を発行する様な金融政策が唯一有効であるというものだ。
だが、今の世界経済は面白いことになっている。
日本が30兆円の公的資金を投入し、アメリカがゼロ金利政策を採る中で、円高ではなくドル高(円安)になっているのである。
アメリカ(大国)が本気になって財政・金融政策をしてくると円高にならないので、公共投資は有効になるのではないか。
コロナ問題の始め円はドルに対し102円であったがその後110円を超える円安になっている。
変動相場制の中でも公共投資を行ってもマンデルフレミング効果によるクラウディングアウトしない幸運な経済政策を打てるのかもしれない。
しかし、これは「市場が完全に効率的である」と言うことが条件である。
もともと通貨価値などは貿易黒字や財政赤字などで決まるのではなく、政治的要因で決まるものである。
1970年代の「ニクソンショック」で円が360円から一気に300円になり、1980年代の「プラザ合意」で220円位から150円まで円高になってしまったりしている。
ただし、このコラムの読者は学生だと思われるので、もし経済学が専門の方なら将来の財産になる現象なのである。
株価がいくらまで下がるなどの予想などせず、各国の首脳がどのような発言し(要人発言)、どの様な政策を行ったかなどに注力することが重要なのである。
トランプ大統領が「ドルを全ての通貨に対し20%切り下げる」などと言わないことを祈るのみである。
お金の「ばらまき」は選挙対策と言われている。
その財源はどうするのか。
それより「稼げる何か」に投資し、成長してもらうことが重要である。
USJは大成功の公共投資であった。
写真はUSJのルパン三世