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ハウステンボス、パワハラと惨状

 

『週刊文春』(2018年12月13日号)がハウステンボスの惨状を報じた。

8年間で従業員約1000人が退職したという。

ハウステンボスでは60代の女性顧問S氏が権力を握ってパワハラしほうだいだという。

このS氏は文春で「女帝」と表現されている。

S氏は澤田社長が呼んできた凄腕の経営者で、澤田社長の権力を盾にパワハラ、罵倒を繰り返しているという。

特に社長代理(40代男性)はパワハラを繰り返され、適応障害になって出社できなくなり、自宅療養中だという。

まさに虎の威を借る狐である。

 

女帝のパワハラの現場を文春記者が録音↓

 

 

 

私がハウステンボスについて知っていることは次のような内容である。

すべての写真は筆者が2016年1月か2月に行ったときに撮影カメラ

このときiPhone7だったような気がしますカメラ

今はすべてiPhone8プラスで撮っているのですが、画素数が違いますねカメラキラキラ

 

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1.テーマパークとしていかに不利な立地か


佐世保の工業団地の売れ残りの土地を抱え、当時の長崎県知事は頭を抱えていた。
県知事は地方の名士の神近義邦氏に泣きついて、土地を買ってテーマパークを作ってもらった、それがハウステンボスである。

神近氏は長崎オランダ村を成功させた人物である。
バブル期に2000億円以上かけるも完成しない建物もある中で開業し、見込みよりすきない客・売上で開業早々ピンチとなった。

2.テーマパークの歴史とV字回復


1992年開業で19年間赤字で、この間に2回も潰れた。

3社目がHISで、HISになってから1年で黒字を達成した。
 

このV字回復が注目され、澤田社長が名経営者として注目される(この時点でまだ女帝Sさんは報道されていない)。
乗り物がほとんど無いので、広くて綺麗な景色を見る、撮影する、のんびり歩く、ヨーロッパ料理を食べる、ヨーロッパのお土産品を買う、地元のお土産・工芸品を買うなどの楽しみ方である。

3.人気が出た要因

 

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・広い敷地に美しい花を植えて「花の王国」を作り、花をアトラクションのようにした
・2011年からプロジェクションマッピング「光と闇の王国」を開始し、大人気
・人気漫画ワンピースのアトラクションやイベント導入
・AR(拡張現実)を使ったお化け屋敷導入
・ホラーナイト実施(USJでホラーナイトが大人気)
・画家のゴッホ展開催
・和牛オリンピック、ゆるキャラグランプリ
・ハウステンボス歌劇団が大人気で「会いに行けるアイドル」化(女優は宝塚のOG等)
・夜にドローンを大量に飛ばすショー
・ロボットが調理する「変なレストラン」
・ロボットとAIが働く「変なホテル
・東京・渋谷に「変なカフェ」進出
・日本全体の外国人観光客増加と澤田改革が重なった。
・韓国・釜山から博多港にフェリーで来る観光客増加で、九州観光での目的地の一つがハウステンボスになった。
子会社のHTBクルーズが長崎と上海を結ぶ大型客船で上海から富裕層と中間層を集客
・外国人向けの免税店、電化製品店、宝飾店などを作る

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4.現在の問題点

 

① 集客に不利な立地が改善されていない

 

不動産なので動かせないと思うでしょうが、ディズニーランドは1983年開業時に京葉線の舞浜駅は無かった。

地下鉄(現メトロ)東西線の浦安駅からシャトルバスで輸送していた。

1988年に京葉線の舞浜駅が開通した。東京駅から快速で13分の距離となった。

経済学で外部経済という。)

博多駅から特急で2時間弱かかる。本数も少ない。

 

② テーマパークではなく美術館

 

創業社長が大の博物館・美術館好きで、博物館・美術館をモデルにしている。

 

ところがハウステンボスはテーマパークとして売り出され、テーマパーク好きを集客しようとしている。

テーマパークと言う割に乗り物、ショー・パレードが少ない。キャラクター・グリーティングがほとんど無い。

日本人はテーマパークというとディズニーの影響が強く、テーマパーク好きは乗り物、ショー・パレード、キャラクターが好きであるが、ハウステンボスはそこが弱い。

 

③ 文春砲でブラックがバレて地元の人から好感度低下

 

ハウステンボスの客の約6割が九州、関東・関西圏が3割強、海外が1割弱である。

(出典:「テーマパークEXPO2018」でハウステンボス営業本部営業業務部長のプレゼン)

ブラックやパワハラ横行で大量退職がバレて九州の人に愛されなくなるとピンチ!

 

④ 1992年に新築されたので、大幅に直した部分を除いて老朽化

 

開業から長いものの、最初の19年間赤字だったため、ディズニーのように利益を出して追加投資する文化が根付いていなかっただろう。

 

⑤ 長崎は雨が多く、雨天では客が3割減る

 

雨が多い割にほとんど屋外の施設で、雨対策がなされていない

室内のアトラクションが少ない。

 

参考までに、アメリカのディズニーランドがある場所は地中海式気候で365日中約300日快晴、雨は数日だけ。

後に冬のある東京やパリに作るとは思わず、冬は寒すぎる。

 

⑥  九州内アクセスが今ひとつ

 

博多に来た観光客を呼ぶのに遠く、本数が少ない。

九州で他に集客力ある観光地(門司港、別府、湯布院、阿蘇、長崎市など)から日帰り観光で呼びにくい

 

関東からなら海外旅行でもいい距離である。

羽田または成田から飛行機で福岡空港に行き、博多駅から2時間移動するなら海外に行くのと同じような移動時間になる。海外旅行は工夫すると国内旅行よりお得。

 

5.まとめ

 

2010年にHISに経営譲渡されてから1年で黒字を達成し、2015年度に経常利益100億円を達成した立派なテーマパークである。

日本のテーマパーク業界では、ディズニーとUSJの印象が強すぎるが、優良テーマパークがいくつかある。

その代表がハウステンボスである。

この女帝にめげず、ハウステンボスに立ち直ってほしいものである。

 

 

2018年12月17日18:22現在、思いつくのはここまでである。

また何か思いついたら追記する。

 

<追記>

2018年12月30日18時、ビジネスジャーナルにこの記事が掲載されました↓

良かったらご覧ください↓

ハウステンボス、深刻な客数減