伝統的な日本の大企業の労働組合は、出世する手段としていわゆるサラリーマン社会に浸透している。一般的な日本の労働組合の役員は押しつけられた人や出世したい人が選出される傾向がある。オリエンタルランドの正社員対象の労働組合をOFS(オフス:Oriental Land Friendship Union)という。報道されて氏名が分かっているOFS初代チェアマン、佐藤健司氏のその後を追跡する。同氏以外の労働組合役員の氏名は公表されていないので不明である。

 

 検索したら、「佐藤健司」氏は同姓同名がたくさん出てきたため、「佐藤健司 オリエンタルランド」で検索した。検索日は2016年8月28日である。

 結論から言うと、オリエンタルランドの佐藤健司氏は株式会社オリエンタルランドの取締役と執行役員に昇進していた。

 オリエンタルランドの「株主通信2004年春夏号」(2004年3月31日現在)に役員リストがあり「取締役 佐藤健司」と載っている[1]

 2005年6月29日に第45回定時株主総会で取締役・監査役の新任・退任について発表された。それによると、取締役の佐藤健司氏は退任し、同年5月16日付で執行役員に就任した。同氏は執行役員として「運営本部長委嘱、CS推進部担当、運営本部運営統括部長委嘱」となった[2]。2008年3月25日、オリエンタルランドは役員と担当変更・委嘱、人事異動について発表した。そこで同氏は「執行役員 運営本部長委嘱、CS推進部担当」となった[3]

 同氏の情報はここまでしか載っていない。

 

 オリエンタルランドは三井不動産と京成電鉄の合弁会社であるため、典型的な日本的経営の大企業である。日本的経営の三種の神器は①終身雇用、②年功序列、③企業内労働組合である。その企業内労働組合はおとなしく従順な御用組合で、労組の役員は出世する傾向が強い。オリエンタルランドでも同様であることが明らかになった。

 オリエンタルランドで労働組合が結成されたのがバブル期の1987年、その時の初代チェアマン佐藤氏が取締役としてオリエンタルランドの株主通信に載ったは2004年のことである。そして2008年に執行役員に就任した。

 なお、佐藤氏が出世を目指して初代チェアマンを引き受けたのかは本編では不明である。押しつけられてチェアマンになったのかも不明である。筆者は同氏を批判していない。オリエンタルランドで仕事に邁進する中で、たまたま初代チェアマンと取締役と執行役員に縁があって就任したと推測できる。

 


[1] オリエンタルランドHP「株主通信2004年春夏号」(2004年3月31日現在)2016年8月28日アクセス http://www.olc.co.jp/ir/annual/2004ss/coporate.html

[2] オリエンタルランドHP「取締役」2016年8月28日アクセス http://www.olc.co.jp/resources/pdf/news/2005/2005062901.pdf

[3] オリエンタルランドHP「組織改正ならびに役員の担当変更・委嘱、人事異動について」(2003年3月25日2016年8月28日アクセス http://ke.kabupro.jp/tsp/20080328/431c1530_20080328.pdf