突然ですがインソールってどんなものでしょうか?
フィット感を増して靴の適合を良くする、クッション性を良くする、消臭など靴内の環境を整えるといった、靴だけでは難しい機能を付加することがインソールの役割です。
元々、インソールは靴を構成するパーツの一つでしたが、いつからか取り外し可能なものとして進化していきました。
その過程も交えつつ、インソールのことを考えてみます。
長いです(笑)
まずは靴を構成するパーツとしてのインソール(中底)から。
革靴などが当てはまりますが、靴を作るときにアッパー(甲革)を固定するために必要なパーツとしてインソールがあります。
簡単な図で説明すると…
黒がアッパー、青が靴底です。緑の部分がインソール(中底)です。
緑の上は、革靴の場合薄い革が貼られていたりします。
この上に足が乗るので赤い部分に詰め物をすることでクッション性を増したりします。
この詰め物、コルクが入っていることが多いのですが、靴を履き込んでいくと使用者の足の形にへこんでいくので、履けば履くほど足裏にフィットしていきます。
ただ、クッション性はあまりないので、足に優しい靴ではありません。
底まで革の靴は、カチッとした履き心地は良いのですが、実用性の面ではちょっと使いづらいかなぁというのが個人的な感想です。
なので、靴底や詰め物にクッション性のあるものを使ったり、クッション性のあるものを追加したりするなかで中敷きであるインソールが出てきたのだと思います。
紫の部分がインソールです。
ここにクッション性のあるものを使うことで靴全体の衝撃吸収力を高めています。ちなみにここに消臭や抗菌機能のある素材を使うと靴内環境を整える機能持たせられます。
さて、ここまでは革靴やそれに準じる構造の靴の話でしたが、スニーカーになると少し変わります。
元はスニーク=こそこそする→コツコツという足音がしない靴という事でスニーカーと呼ばれていて、スニーカーの範疇は広いのですが、今回は靴の構造の分類としてスニーカーとします。
簡単な図がこれです。
黒がアッパー、青が靴底、紫がインソール、緑が中底の代わりになる部分です。
スニーカーの場合、黒と緑の部分が縫い合わされ、靴底やミッドソールに直接くっつけられています。
そのままだと縫い糸やらが足に触れてしまうので、それを防ぐためインソールが入っています。
クッション性の良い靴底を使用するので、インソールにはクッション性よりも靴内環境を整える役割を強く持たせられます。
消臭や、形状を工夫することで足と靴の適合を良くする機能に優れたインソールになっていきました。
例えばヒールカップ。
踵がカップ状に丸くなっています。
なぜこうすると適合が良くなるのか?
ラスト(靴型)の踵部分です。
底が切り立っています。靴の製造時に底付けを確実にするためこんな形なのですが、ヒトの足はここまで角が立っていません。
なのでカップ状のインソールを入れることで余計な隙間が埋まり、靴がフィットするようになります。
それと同時に踵周辺を側面から包み込み、踵の安定性を高める事ができます。
もう一つ、土踏まず部分を立体的にして隙間を埋めることでも靴のフィット感が増します。
フィット”感”としたのは土踏まずが埋まる=靴の適合が良いではないからです。
ヒトの足は歩いたり走ったりするときに色々な動きをします。その動きを妨げるようなインソールはフィット感はあっても足に合っているとは言えません。
良い適合を得るにはより個々人に合ったインソールが必要となります。
2に続きま~す。