本記事は2014年にお送りしたものの再放送です。


北海道では今月初め、未曾有の暑さに見舞われた。中国大陸で暖められた空気が日本を覆ったのが主たる理由だとか。

3日には北見や帯広などでは猛暑日を観測するなど、日本で一番暑くなったほか、札幌でも4日には観測史上1位となる33.7度を観測した。
ここでふと思った。JR北海道の普通列車において冷房のある車両はキハ40-300番台、711系の一部、721系、731系、733系、735系、キハ201系、キハ143系、キハ150系基本番台で、札幌圏では冷房車は当たり前のように思うが、地方においては21世紀のこの時代にあっても『特急の専売特許』なのだ。
国鉄時代は『寒冷地や地方においては普通列車における冷房は不要』との観点から、北海道においてはキハ54でさえ非冷房でやってきた。
キハ54が冷房改造できないのは、ステンレス車体で車体の事後修正が困難だったため、と言われている。
普通列車における冷房車第一期生となったのは721系。デビューした1988年当時、高速バスはもとより一般路線バスにも冷房車が導入され始めた頃で、乗用車やタクシーはエアコン装備が当たり前となっていた。対抗交通機関に勝つことが要求される中、冷房はサービス面から必須条件となった。
新車を積極的に導入した札幌圏では、冷房車は当たり前の存在となったが、キハ40やキハ54がはびこっている地方では、今なお天井に据え付けてある扇風機またはバス向けのラインクロスファンが生ぬるい風をかき回している。ここでも地方と札幌圏の格差を感じずにはいられない。

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北海道の近郊型電車において冷房車の第一期生となった721系。

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一般的なキハ40の車内。夏場は窓を全開にして、扇風機またはラインクロスファンを回すのが通例。

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711系天井にある扇風機。画像協力(たっちゃん様)