札幌市営バスが完全民営化されて14年以上が経過した。旧札幌市営バスの車両も廃車が進み、現在では中央・JHBに僅かな台数を残すだけに減ってしまった。

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旧札幌市営バスの車両。今や稀少な存在となった。

旧札幌市営バス時代には『札幌市内特殊区間制運賃制度』というのが存在した。これは比較的長い距離乗車しても210円、または240円で乗れる制度のことで比較的距離の長い札幌駅~白陵高校、北24条駅~手稲高校を利用しても240円で済むのはこのためである。
この特殊区間の範囲から外れるとバス料金は高額になり、例えば札幌駅~定山渓だと770円とJR線で札幌駅~小樽駅(640円)を利用するよりも割高になるし、札幌駅~手稲駅間だとJR線が260円なのに対してバスは330円と同じく割高になる。一方の札幌駅~新札幌駅間だったらJR線が260円なのに対してバスが240円と、こちらはバスの方が所要時間はかかるが割安になる。

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菊水駅から白陵高校行の路線バス

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札幌駅発豊平峡温泉行かっぱライナー。

特殊区間制度の範囲内にある高校であれば210円または240円プラス地下鉄の普通料金(札幌市内の停留所で下車する場合は乗継割引制度適用)で済むが、特殊区間制度の範囲外にある札幌稲雲、札幌あすかぜ、札幌南陵、市立札幌啓北商業、札幌真栄、文教大明清、ほしみ高等学園だとバス料金が割高になってしまう。
同様に特殊区間から札幌都心へ向かう交通費も自ずと高くなる。
同じく札幌市の比較的郊外にある札幌啓成、札幌東豊、札幌白陵、市立札幌豊明高等支援、札幌平岡、札幌手稲、札幌英藍は特殊区間制度の範囲内なので、最寄りの地下鉄駅などから210円または240円で通学可能だ。
札幌近郊にある石狩南・大麻の場合は札幌市内末端またはそれに近い4番第8横線(石狩南)、厚別北3条4(大麻)で下車すれば地下鉄乗継割引適用かつ最寄りの地下鉄駅から210円で通学可能だ。
札幌市内の比較的広範囲な地域を割安にバスで移動できるのは、旧札幌市営バスが残してくれた財産であると思う。この財産はこれからも維持していって欲しいと願っている。