札幌の地下鉄に優先席が設置されたのは1974年。優先席ではなかなか席を譲ってもらえない側面があったため、1975年に専用席に変更された。
旧市営バスや中央バス、国鉄バス(→JR北海道バス、現在のJHB)では私が物心ついた頃には優先席はあったような気がする。
一方、JRの鉄道やじょうてつバス、市電では優先席はなかなか設置されず、設置されたのは1998年頃だった。
この時期に優先席の案内が『お年寄り・身体の不自由な方』という表現から『お年寄り・身体の不自由な方・乳幼児をお連れの方・妊娠されている方』(のちに『内部障がいのある方』が追加)に変更された。
優先席の解釈変更、設置事業者拡大に至った1998年前後は日本の高齢者人口の割合が14%を超え(実際に超えたのは1994年)、本格的な高齢社会に突入した時期とも合致している。

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札幌市営地下鉄の専用席。専用席と表現するのは札幌のみ。

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交通資料館に展示してある『東ひ87-41』の優先席。旧市営バスでは比較的末期まで『老人身障者 優先席』と表記されていた。

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札幌市電の優先席。98年頃に一般席の一部を青色のカバーで仕切る形で新設された。

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JR北海道733系の優先席。旧市営バスを彷彿させるオレンジのモケットが使われている。他のJR車両は大概、優先席のモケットはラベンダー色となっている。