入学式、入社式を迎える頃になりました。
ピカピカの一年生やフレッシュマンという言葉がありましたが、
これから元気な挨拶の声が聞こえてきます。
 こちらも、元気に返事してあげたいものです。

 さて、「合氣道とはどういうものですか?」と聞かれて、どう答えるのでしょう。
それぞれの方により、それぞれの答えがあると思いますが、
私は一つの表現として、合氣道は「力のベクトル」だと思っています。
 古い昔の話ですが、高校の数学か、物理かの授業で、ベクトルということを学んだ覚えがあります。
平行四辺形の頂点に力を加えると、平行四辺形の形が変化するということだったように思います。

 ぶつかって、ぶつからないところを探すのが合氣道だ、と教わりましたが、相手(受け)の力を感じ、その相手の力の方向を変え、相手の力を導くことで、技が生まれるのではと思っています。
この時、相手の力は、自分(取り)の中心に向かってきていないと、ぶつかることを感じられないと思っています。
武道は、もともとは武術からの始まりであり、命のやりとりであると言われます。
このため、受けは、取りの中心を狙う(急所の集まりである正中線を狙う)ことが必要であると思っています。
 取りもまた自分の中心を守る必要があります。
自分の中心を守りながら、相手が中心に向かってくる力を感じる稽古を心がける必要があるように感じます。