八月に入り、八月の前半、お盆までが、一年で一番暑い時期です。
先日、41度という、最高気が観測されました。
命に関わる暑さ、酷暑の日々が、まだまだ続きそうです。
十分に水分補給をして、熱中症にならないように注意が必要です。
さて、8月前半には、記念日が続きます。
8月6日は、広島原爆記念日。
8月9日は、長崎原爆記念日。
そして、8月15日は、終戦記念日。
今年は、戦後(太平洋戦争後)、80周年の年となります。
戦争に従軍された方も、高齢になられ年々少なくなっています。
私の父も従軍し、ミャンマーの奥地で終戦を迎えたそうですが、戦争の話を語ったことはありませんでした。
♪まぼろしの翼とともに♬という歌があります。
1970年代のフォークソングです。
特攻隊の兵士として、大空に散った友を題材とした曲です。
太平洋戦争の末期、特別飛行攻撃隊という部隊が結成されました。
飛行機に何百キロという爆弾を積んで、命を懸けて敵艦に突っ込んでゆくという戦術です。
今の時代で考えれば、人の命を軽んじる愚かな戦術であると思いますが、窮地に追い込まれ、起死回生の一手と当時の軍の上層部が考え、誰も反対することもなく、実施された戦術であったと思います。
戦術が愚かであったとしても、その戦術で大空に散華した英霊たちの御霊は、畏敬しなければなりません。
私は、今年春、知覧特攻平和記念館に足を運びました。
戦争末期、知覧には、陸軍の特攻基地があり、特攻隊員として戦死された1,036名の方の遺書や遺品が展示されていました。
特攻隊員として母や父、兄弟、そして、妻や子供を護るために、知覧の基地を飛び立っていかれました。
特攻隊の攻撃を受けた戦艦や航空母艦に乗艦していた兵士は、自分の命を懸けて突っ込んでくる特攻兵士をクレイジー!!と叫んで逃げ惑ったそうです。
自分の命を懸けて突っ込んでくる日本人の精神性に脅威を感じた米国は、戦後日本に3つのSを持ち込みました。
3つのSとは、Sports、Screen、Sexです。
この3つのSは、戦後の日本で瞬く間に拡がり、思惑通り、日本は個人の享楽が優先する国になってしまったように思います。
特攻隊士として英霊になられた方が、今の日本を見られたらどう思われるでしょうか。
こんな日本にするために、命を捧げたのではない、と仰るかもしれません。
英霊となられた方々が、護ろうとした日本という国。
それは、生活は貧しくとも、心までは貧しくない。
自分の幸せだけを守るのではなく、自分の周りの人々の幸せをも大事にするという心であったのではないかと思います。
自利利他という言葉がありますが、これが日本という国であり、日本の文化ではないかと私は思います。
今、この日本の文化が、自分の利益のみを第一義とする個人主義や自分の国のみが世界の中心であるという中華主義に浸食され、軽んじらられ、薄れつつあるのではないかと感じます。
海外の人から見れば、日本という国は、安全できれい、日本の人は親切で優しいとみるようです。
それがため、自分たちの価値観を主張すれば、それがそのまま日本という国、そこに住む人に受け入れられると勘違いしているのではないかと思います。
外国や外国から来る人だけでなく、日本国内、日本人同士でも、同じようなことが多くなっているように思います。
声が大きい人、自分の価値観を主張する人が、相手の話を聞かないという一方通行のコミュニケーショとは言えない状況になってると思います。
今や、静かに話を聞くだけでなく、凛とした姿勢を示さないといけないと思います。
我々、一人一人が、外からの理不尽な意志表現には屈しない、凛とした日本人であることが必要であると思います。
そうであることが、英霊となられた方が望んでおられたことではないかと思います。
ありがたいことに、我々、合氣道を稽古する者は、受けと取りを交代して行うことで、相手を大事にするという日本の文化を学びます。
それに加えて、外からの力に屈しない、しっかりとした中心軸を作ることが必要だと思っています。
合気道の稽古を通して、大人だけでなく、将来の日本を担う子供達も、凛とした日本人になれるような稽古を行いたいと思います。