BBC iplayerで全7話からなるTVミニシリーズ『Fortunes of War』 (1987)を大分前に観たのだが、ブログに書き忘れていた。若きエマ・トンプソンとケネス・ブラナーが初ダブル主演で夫婦役を演じたという。IMDbの評価も7.8と高めだし、第二次世界大戦中のブリティッシュ・カウンシルの話とあるので興味を持った。日本にも存在するブリティッシュ・カウンシルは英国の国際文化交流機関でケンブリッジ英検をはじめ英語教育の拠点でもある。2018年に英国ーロシア間の緊張が高まった時ブリティシュ・カウンシルが閉鎖されたこともある。さて、ドラマのあらすじは…

 

 英語教師ガイ・プリングル(ケネス・ブラナー)と新妻のハリエット(エマ・トンプソン)は、第二次世界大戦前夜、ルーマニアのブカレストで英国人コミュニティの一員。戦争が始まった後、彼らは外交官、文学者、スパイ、無一文の王族、同性愛者たちと一緒に、ドイツ軍が前進する前にアテネ、次にカイロに逃げるが、戦況は益々差し迫ったものになって次々同行者が減っていくのであった。(IMDbより一部翻訳)

 

  原作は英国女流作家オリビア・マニングによる『バルカン三部作』と『レバント三部作』。実際にマニングはブリティシュ・カウンシルに勤める夫(実はケンブリッジ・スパイの仲間)と共に戦争中にバルカンやレバント(東部地中海沿岸エジプトも含む)内をナチスの進軍を逃れて移動したのでほぼ実話に近いフィクションと言われている。イギリスはブリティッシュ・カウンシルと領事館を拠点に情報収集をしていたようだ。戦時中の話なので、英国人サークルの面々は反目しつつもいざとなるとお互い助け合いながら、軍人たちと共に生き延びる術を見つけ出す、という彼らのしぶとさにはびっくり。戦争を横目に自国へは帰国せず海外を放浪し続ける彼らの中で、ガイはなんとしても行く先々で英語を教えようとするのが、ちょっと滑稽にも見えるし、他の国民とは違うメンタリティを感じる。また、彼は「友人全員大好き」というラブリーな性格で女にも男にもモテるため、妻のハリエット/マニングは大変。実際このドラマの後で結婚し、離婚もしたブラナーとトンプソンの逸話にも重なるのがちょっと皮肉かも。

 

テーマソング。こんな風にエジプトのピラミッドに簡単に登れるとは知らなかった。

 

第一話 Youtubeで全話観られるとは…ただし英語版