中恵光城ソロライブ「空想浪漫2023」昼公演・日華 公式ライブレポート
【ライブレポート:黒川うみ 様】
2023年10月14日、ABSOLUTE CASTAWAY15周年企画最後を飾る中恵光城ソロライブ『空想浪漫2023』が催行された。
昼公演『日華』、夜公演『宵月』計37曲がバンド演奏で奏でられ、満員の観客を沸かせた。
今までの光城さんのライブなら、前半にタイアップ曲、後半にオリジナル楽曲を持ってきていた。
それが1曲目から夏の新譜である『蒼の白昼夢』から始まった。会場の空気が一変して鳥肌が立った。バンド演奏もさることながら、光城さんの気迫が会場を覆ったのだ。
これは光城さんの決意の表れなのかも知れないと思う。前へ進むことをやめないという。
そも、『空想浪漫』とは光城さんの初めてのソロライブの名前である。原点回帰の意味も含まれているのかも知れない。
『Lover Pretend』『レイル・ロマネスク』『On my Sheep』とお馴染みのタイアップ曲、何度も聞いたことのあるはずの歌がさらに成長しているのを感じた。
歌唱力もさることながら、表現力が桁違いだ。本人はダンスが苦手、と言っていたが、軽快なステップもこなれたものだ。
10年前のソロライブを思い出す。人前で歌うことに不慣れで、それでも精一杯だった光城さん。着実に経験を重ね、観客を楽しませる段階までやってきた。
彼女はこれからどこへ向かうのか実に楽しみだが、ライブは始まったばかりだ。
新しいタイアップ曲、自ら作詞も担当した『想ひ、ひとひら』『Paradice Love』も小気味よく響く。
余談だが、天地無用!は筆者の青春の一部なのでその歴史に光城さんが刻まれたことを嬉しく思った。
さてここからはオリジナル楽曲だ。
”日華”らしい選曲だそうだが、まずは『標本Ⅴ 向日葵』。
「貴方だけを見つめているから、貴方も私だけを見つめていて」と、強いメッセージ性を持った曲である。そうでなくとも会場は光城さんに釘付けだ。
次にASTROシリーズから『アルデバランの情炎』『ヌンキの守人』と熱い楽曲。喉から音源と言うが、確実に発表した時より上手くなっている。
今回、マスク着用を条件に観客の声出しが解禁された。光城さんが観客にマイクを向けると「はい!はい!」と返って来るのに他人事ながら泣きそうになった。この会場で無観客公演を行ったこともある光城さん。どれだけ嬉しいことだろう。コロナ渦は完全に明けたわけではないが、満座の中歌えるのだから、光城さんはより気合いが入っていたはずだ。
「あぶきゃす楽曲は魂を入れないと、死ぬ」と光城さんがしみじみ語る場面もあった。
『夏の風』『金平糖レトロチカ』と懐かしい曲をしっとりと歌い上げる。新規のあぶきゃすファンには初めて聞いたという方もいるかもしれないが、特に『金平糖レトロチカ』は中恵光城の代表曲だ。是非音源を入手して繰り返し聞いてもらいたい。
ライブもそろそろ後半戦だ。奏でられたのは刀心幻戯シリーズより『刀心ロマンチカ』『刀心幻戯』『標本Ⅸ 桜』の3曲。しかも時代系列順という贅沢な構成にファンは大興奮。
登場人物の千代の弟子の名前が『あかり』だとMCで明かされるなど、サプライズもあった。
ラストは『マチガミ少女』『カレイドパレヱド』の2曲。これも思い出深い曲だ。1曲1曲をとても大切にしている光城さんの心が伝わってくる。
一旦退場したバンドメンバーと光城さんを、ファンが手拍子と共に「アンコール!」と呼び戻す。このファンとの繋がりがとても幸せだ。
まずアンコールで歌われたのは『狐福日和』。コンコンコンと会場が一体感に包まれる。
ここで一旦MCが入り、演奏しているバンドメンバーが紹介される。が、どれもこれも可愛いあだ名つき。光城さんのお茶目な一面が垣間見える。
”日華”最後を飾るのは、光城さんのメッセージソングを冠する『SPiNEL』だ。ここで光城さんが「立ってもいいよ」と言うと、我慢しきれなかった観客が次々と立ち上がり、ペンライトを振る手にも力がこもった。
この熱は夜公演”宵月”に引き継がれる。
【セットリスト”日華”】
01:蒼の白昼夢
02:Lover Pretend(NintendoSwitch「LoverPretend」より)
03:レイル・ロマネスク(PS4/Nintendo Switch「まいてつ-PureStation-」より)
04:On my Sheep(TVアニメ「大図書館の羊飼い」より)
05:想ひ、ひとひら(OVA「天地無用!GXPパラダイス始動編」より)
06:Paradice Love(OVA「天地無用!GXPパラダイス始動編」より)
07:標本Ⅴ 向日葵
08:アルデバランの情炎
09:ヌンキの守人
10:夏の風
11:金平糖レトロチカ
12:刀心ロマンチカ
13:刀心幻戯
14:標本Ⅸ 桜
15:マチガミ少女
16:カレイドパレヱド
17:狐福日和
18:SPiNEL