警察署についた。
個室に通され、息子の荷物の確認をされた。
息子がいつも使ってたバッグ。
息子が気に入って着ていた服。
そして、1ヶ月前に買ったばかりの真新しい靴。
お財布に、免許証、私が今朝持たせたお弁当...
間違いなく息子の荷物...
荷物全部から息子の匂いがする。
数時間前まで生きていて、会話もした、その息子の荷物を私と主人が受けとる...
止まらない涙で荷物はびしょびしょになっていた。
息子さんは今夜は警察署にいて、明日、葬儀屋に引き渡すと言われた。
話しが早くてついていけない...
長い夢だな...
余りにも辛くて悲しい夢だ...
早く覚めないかな...
荷物を抱き締め歩きだした私の足は、
一歩踏み出すのがやっとだった。
主人に支えられて歩きながら二人で泣いた...
空を見上げたら、とても綺麗な青空だった。
いつもと変わらない景色...
息子はどこにいっちゃったんだろう...