エモクルスコップ 2017.09.24 @ 渋谷Milkyway(new encounters vol.48)


セットリスト:
SE
1. カコステルフィ
2. 未完成ファンファーレ
3. ファンタジ
4. だっても
5. お願いエネミー
6. ワンダーランダー


暗転のなか、SEが響きます。スモーク。点滅するライト、レーザーが加わります。期待を込めた観客の拍手。さやさんの声「エモクルスコップ、行くぞ!」、下手から登場するメンバー、歩乃花さん「みなさんこんにちは、エモクルスコップです!」、未來さん「渋谷ミルキーウェイ!盛り上がって行くぞー!」、さやさん「楽しんでいきましょう!」

一曲目「カコステルフィ」、今日の未來さんは右にチャーム、さやさんは左右に三つ編みをお団子にした感じのハーフツインテールに毛先をロールさせた「羊ヘア」、歩乃花さんは右にテーマカラーなのか花飾りを付けたハーフアップ、花飾りは直径5センチくらいで大きくはありません。
観客のサークルモッシュ。「…だけなんだ!」でわたくしを指さしてくれる歩乃花さん。「いつ行くの!」のコールが掛ります。
未來さんのソロ、上手の客前の一段高くなったところに立ちますが柵には乗りません、ミルキーウェイの柵はステージと比べてそんなに高くないため、ショーアップするという観点からは、柵に乗ってもそんなに効果が上がらないと判断したのかな。柵に乗るか乗らないかを未來さんは細心の注意を持って判断しているようですね。客席のサークルモッシュ、メンバーもサークルでステージ上を動きます、気付きにくいのですがステージが三間四方くらいあってかなり広いのですね。歩乃花さんの左ひざに大きな絆創膏、右ひざにも絆創膏。未來さんは右ひざに、歩乃花さんの大きい方の絆創膏よりさらに大きな絆創膏。
「捨てる!」シーン、三人とも存分に吠えます、未來さんは客前に一旦出て、ステージに戻って、観客に背を向けて吠えますが以前のように吠え過ぎと感じることはありませんでした。三人が客席に背を向けて終わり。

バックトラックの音が途切れ、マイクをステージに敷いたハンドタオルの上に置くメンバー、メンバー背後からのライト。
二曲目「未完成ファンファーレ」、客席では、歩乃花さんに背を向けて、つまり、客席うしろから見たら歩乃花さんと同じ方を向いて、歩乃花さんの振りコピを演じるヲタク氏。「ダダッ!」というバックの音に合わせて、縦一列のフォーメーションから上手に飛び出して見せる未來さん、しかしこの会場では機材の関係からでしょうか前からのライトが当たらないので、「あれ?」という表情をしてみせます。
ソロはさやさんから未來さんへ、軽く吠える未來さん。「…瞬間を」、わたくしを指さして視線を送ってくれる歩乃花さん。間奏で「本日はお呼びいただきありがとうございます!」と未來さん、ソロを取りながら客前を下手→上手→下手と移動します。歩乃花さんは上手でソロ、さやさんはセンターでソロ。
ラスト、「パ!」に合わせての回転は未來さんだけ同じ方向に二回転、さやさん歩乃花さんは一回ずつ回転方向を変えます。

暗転、フォーメーション、センターに位置した未來さんに「あたし!」と歩乃花さん、未來さんが上手に移動して、始まったのは「ファンタジ」、もしかして未來さんは「ワンダーランダー」と勘違いしたのかな。
イントロで未來さん「盛り上がって行くぞー!」、ソロでは客前の、少し高めのところに足を掛けて。
三人がセンターにまとまるシーン、歩乃花さんの髪はやはり短くなっていると思います。さやさんのソロのとき未來さんの顔や鼻を指で突っつく歩乃花さん。
「ラーラー」、指揮する未來さん、さやさんは客前でソロ。
スモークが炊かれ、「煙に巻かれた」という歌詞に合わせたかのようでしたけれども、これは意図したものか偶然か。吠えたあと、水を飲む未來さん、やはり喉にかかる負担が大きいのでしょうね。
未來さんの「ハッピー!」はかなり下手寄りで。

MC、さやさん「ありがとうございます!」、自己紹介。さやさん「はい、今日は、渋谷ミルキーウェイ…」と呼ばれたことに感謝。
未來さん「久しぶりに来ましたミルキーウェイ!ギュウ農フェスの選考会…そのあとも」、未來さんの右手に大きな伸縮する絆創膏が貼ってあるのが見えます、「楽しんでますか!」と客席に声を掛ける未來さん。

さやさん「では次の曲、聞いてください、だっても」
四曲目「だっても」、ステージ後ろからの青と生成りの照明、開幕の歩乃花さんのソロの後、レーザーが加わります。
さやさんがウエストにタオルを挟んでいるのが見えます、さやさんは以前もそうだったのですが、「未完成ファンファーレ」でタオルを使ったあと、すばやくウエストに戻すのかな。さやさん歩乃花さん未來さんと並んで、ソロの後はハンドクラップが客席から自然発生します。
ラストコーラス前、歩乃花さんは客前に出て、センターから上手へと移動しながらソロを取ります。
「悪あがきの」、手を振り回すさやさん、歌詞に感じたままを観客の前でさらけ出している感じですね。
メンバーの背後からのライトが劇場のスポットライトのよう、三人がカーテンコールの仕草、手を繋いでジャンプしてしゃがみ込みます。暗転。

歩乃花さんを中心とするフォーメーション、五曲目「お願いエネミー」。
さやさんのソロのうしろで歩乃花さんは未來さんにキスを迫ります、角度の関係で未來さんの表情は見えなかったのですが、たぶん、嫌そうな顔を演技してみせていたんじゃなかったのかな。
ソロを取りながらこちらを見てくれていた未來さん。
歩乃花さんのソロ「どこかで」は赤いライトのもと、センターで。
曲終わって暗転。

MC、さやさん「ありがとうございます!」、歩乃花さん「はい、ここで告知を」、当日の夕方にバンドのワンマンライブのオープニングアクトとして出演することをアナウンス。未來さんは例によってセカンドワンマンをアナウンスしますが客席の反応がいま一つなのを瞬時に読み取り、笑顔をみせることで抗議を示しかつ望む反応を待つという高度な対応を示します。さやさんはご自身の生誕をアナウンス。

未來さん「はい、このあと、ノンストップ!…ノンストップ?…あと一曲しかないんですけど。ワンダーランダー!」
六曲目「ワンダーランダー」、はい、歩乃花さん、ひとの顔見て笑わないでください。
歌い出しを経て、下手でソロを取っている未來さん。そんな未來さんを見ていたら、上手に居たわたくしの前に位置していた歩乃花さんが「ヲイヲイ、推しばっかり見ているつもりか?すぐ前にいるワタシを見ないで許されると思っているのか?」という表情でいつのまにか目前に(※「」内は個人の妄想です)。

手で観客を煽る未來さん。
のびのびと歌い踊る三人。この曲がこれほどまでに生き生きと歌い踊られたことがあったでしょうか。お披露目ライブの動画がデビュー直後からYouTubeに公開されていますが、そこにうかがえる悲愴さは今日のエモクルスコップにはみじんもありません。ここにあるのは、ただ、喜びのみです。
アイドルとして世に出なければならなかった自分たちの現実を恥じる必要などないということ、事実を確認できるのは喜びなのだということ。それらへの気づきそして嘘のない現状からのスタートを切る喜びが、今日の「ワンダーランダー」のパフォーマンスにはありました。アイドルという虚像を演じるために嘘をつく必要は無いのだと気付いたメンバーたちの喜び、嬉しさが、ステージを、そして、客席を含めての会場全体を、満たすのです。

さやさん「ありがとうございます!」、未來さんが曲のラストの、二本指を差し出して片手を突き上げるポーズを崩す途中でタバコを吸う格好をしてみせたのかと思ったのは気のせいでしょうか。
「以上わたしたち!エモクルスコップでした!ありがとうございました!」

アイドルとしてでなければ生きてゆけないメンバーたちの現実を語るナンバー「ワンダーランダー」。置かれた場所をみじめに感じる必要は無い、いま居るこここそ輝かしいのであり、誇るべきなのだ、とメンバーが気付いたのを表現した、その気付きに則って歌い踊られたという点で、今回のパフォーマンスは特筆すべきと思います。この曲が今日ほど喜悦に満ちて歌い踊られたことはなかったでありましょう。

「探すのではない、見つけるのだ」パブロ・ピカソ