あヴぁんだんど 2017.01.24 @ 東高円寺UFOクラブ


セットリスト:
1. あヴぁんだんど
2. さいごのクリスマス
3. オンナノコヤマイ
4. ヴぁんでぃっつ!!!
5. かさぶた
6. Have Some Dreams
7. 文鳥
8. Magical Symphonic Girl


サイケデリックな内装のUFOクラブ、平日とあってお客さんは決して多くありませんが。ステージと客席フロアを仕切るカーテンの向こうから聞こえてくるのは発声練習か?
ピチカートのSEとともに幕が左右に開きます。「ヴぁー!」で下手からメンバー登場、ハウリングがひどい。ステージ奥にはドラムスがセットされています。
お下げツインテールのべにさん、前髪をカールさせたこたおさんは髪の色を変えたようですが照明のもとでは銀色に見えます。

一曲目「あヴぁんだんど」、べにさん「あヴぁんだんど、です!今日はよろしくお願いします!」、マイクが有線で、そもそも歌い踊るグループが出演するハコではないせいか、コードも短めということで、なかなか采配が難しそうです。
べにさんは「ここにいると…」の前に、いつもだとピルエットを入れるのですが、今日出来なかったのはマイクのコードによって動きが制限されたせいでしょうね。
今日はヴぁヲタが三人くらいしか居らず、フロアの動きも緩慢なところ、自分たちの動きが制限されることもあってか、それをはねのけるようにフロアに突入するべにさん、こたおさん。二人で「センキュー!」

MC、「こんばんは!うさべにです!」「こたおです!」「わたしたち、見捨てられたアイドル!あヴぁんだんど、でーす!」
今日呼ばれたことに感謝するこたおさん、「今日はバンドさんとシンガーソングライターだけのなか…」、唯一のアイドルあヴぁんだんど、緊張している、とべにさん、こたおさん。

べにさん「くっついてくるよね」と身体を寄せてくるこたおさんに。こたおさん「今日は寒いですね」、べにさん「寒い季節にぴったりの曲が、あヴぁんだんどにある、って、聞いたんですけど、この曲のタイトル、クリスマス、って入っちゃってて」、年が明けたらどうかと問うと「いいよ、いいんだよ」とこたおさん、「それではきいてください、さいごのクリスマス!」
二曲目「さいごのクリスマス」、80年代風のこの曲の初演は神楽坂TRASH-UP!!でしたね。二人のパンチの効いた動きは、観客に見せないところで猛練習が行われたのであろうことをうかがわせます。雪あそびをパントマイムで見せるふたり。

三曲目「オンナノコヤマイ」、パート分けはこたおさん「大丈夫…」、べにさん「わたしも同じ」、二人「病気みたい」、バンドサウンドになったところでこたおさん「きいてください、オンナノコヤマイ!」
アイドルとしてより、パフォーマーとして観客を動かそうとしている様子がみてとれるべにさんとこたおさん。そんな二人のようすが、物理的な容積としては広くないけれどもサイケデリックな精神拡張を場において体現しているように思えるUFOクラブに奇妙に合います。数日前のロフトでは広がりを感じなかった「二人あヴぁんだんど」が、ここUFOクラブでは、ハコの広さを超えて大きな空間を感じさせる瞬間があります。
ラストにべにさんのツインテールをハンドルのように持つこたおさん。

曲終わってすぐにイントロ、四曲目「ヴぁんでぃっつ!!!」、べにさん「まだまだ楽しんでいってください!きいてください、ヴぁんでぃっつ!!!」
こたおさんのソロの横で、マイクコードがめちゃくちゃに絡まっているにもかかわらずピルエットをキメるべにさん、「最後には笑うんだ!」と本音そのものを歌うかのようなべにさんですが、テーマカラーの赤を基調とするUFOクラブにそんなべにさんが似合います。
 
べにさん「ありがとうございました!」、こたおさん「暑いね!」とペットボトルの水を手に。「今日が1月最後と言っていたのですが」、1月28日土曜日のライブが入ったことをアナウンスするべにさん。2月にもライブはたくさんある、こたおさんはシバノソウさんとのトークショーに出演、ファッションショーとかも出るみたいですよとこたおさん、べにさん「おしゃれですか」、こたおさん「おしゃれになりたいです」

べにさん「次の曲は?」、こたおさん「あヴぁんだんどの最新曲になっております」、作曲がガガキライズの吉澤さんが作曲してくださったとべにさん、こたおさん「作詞は宇佐蔵べに先生…きいてください、かさぶた」
五曲目「かさぶた」、何回目かのこの曲ですが、バックのサウンドは激しいのですけれども、演じる二人は、バックに同調して叫ばなくても言いたいことは伝わるのだと理解してきているのじゃないか、と、感じられます。
「うしろ姿」と歌いながら上履きを蹴り脱ぐべにさん、激しい動きゆえにかこたおさんの左わきの下のホックが外れ。ベルトもずれているのが見えます。

切れ目無しに六曲目「Have Some Dreams」、「扇風機の」でべにさんが手を扇風機の羽のように回し、こたおさんは手のひらで自分の顔をあおぎます。この曲の「二人だけの世界で」という歌詞が、いまのあヴぁんだんどにシンクロしているなあ、と気がつきました。

七曲目「文鳥」、べにさん「あヴぁんだんど、です!まだまだ楽しんで!名前だけでも、覚えて帰ってください!」、二人のエアギター。

「文鳥」で終わりかと思っていると「Magical Symphonic Girl」のイントロが。八曲目です。べにさん「今日はありがとうございました!
こたおさんの歌う「されど波高し」で白目をしてみせるべにさん、そのべにさんの歌う「未来の不安、過去の…」がまたしても現状にシンクロして聞こえてしまうのは、歌というもののふしぎですね。
セリフのシーン、「幸せもの、って…」、ハンドクラップを求めるべにさん。

べにさん「ありがとうございました!」」「以上わたしたち、あヴぁんだんどでした!ありがとうございました!」、きょうはなにしろヲタさんが少なかったために「やっぱ、あヴぁんだんど、だなー!」は無し。物販を紹介してステージを去るべにさん、カーテンが閉じます。

いまの「二人あヴぁんだんど」、先の新宿ロフトでのライブレポートに書いたように、リードギターが並んでいるけれどベースの居ないバンドというか、いま少しの安定感あるいは厚みが欲しいかな、という恨みはないことはないのですが、今日に関していうならグループに適した会場でのパフォーマンスであり、また、二人がお互いに譲ったり相手を立てたりしているがゆえに、相当な高さかつ適切なありかたでバランスは保たれているのかな、と思わせてくれた今日のライブでした。