あヴぁんだんど 2017.01.06 @ 新宿ロフト(「今日も963と…。新年会!」 )

 


セットリスト:
1. Magical Symphonic Girl
2. ヴぁんでぃっつ!!!
3. かさぶた(新曲 作詞:宇佐蔵べに 作曲:吉澤幸男[GAGAKIRISE])
4. あヴぁんだんど

 


さて、新年初めてのあヴぁんだんど、ということで待ち構えていると、ピチカートのSEなしにいきなりイントロが。
一曲目「Magical Symphonic Girl」は四人時代の最後のシングルとなった曲で、つるうちはなさんの作品。四人のメンバーをシンフォニーになぞらえたこの曲を、今日はシングルに参加していないこたおさんと四人のうちたった一人残ったべにさんと、二人で演じます。
べにさん「みなさんこんばんは、あヴぁんだんど、です!」、衣装は制服、胸元にスパンコールを使ったものも含めてそれぞれのテーマカラーを用いた数個の缶バッジ、べにさんはお下げツインテール、左手首にテーマカラーの数珠バングル、ランドセル、赤いルージュが目立ちます、50sのニュアンスを感じさせつつ、大人になったという表明でしょうか。こたおさんは普通に髪を下ろしているように見えました。白いソックスにテーマカラーのトウのついた上履き。
曲中、べにさんがなにか叫びますが聞き取れません。この曲でのべにさんはところどころうっすらと涙ぐんでいたように見えましたが、二人になってもライブに来てくれるヲタク諸氏のありがたさを感じていたのだろうか、というのは手前勝手な印象ですね。
セリフのシーン、未来に言い及んだべにさんの語りはいまのあヴぁんだんどそのものですね。こたおさんは963さんに感謝、べにさん「あけましておめでとう!」、続くこたおさんの叫びは聞き取れず、最後にべにさん「2017年も幸せなひとに!」
オーラスの「生きてる!」を叫ぶべにさん、ステージの上でこそ生きられる自分を再確認したのかなと感じました。

 

二曲目「ヴぁんでぃっつ!!!」、べにさん「…聞いてください、ヴぁんでぃっつ!!!」
二人なので舞台が広く、舞台の空間を埋めるためにか大きく踊っているのかなと思われましたが、そのせいか、これまで以上に二人の身体の切れが良いのじゃないかと感じられますけれども、身体の切れの良さは単なる印象ではなく、ロフトの舞台を想定して練習された結果なのでしょうね。
「だれかを傷つけるためになんか」と歌うべにさん、べにさんはとても精神的に強い方と思っていますがそれでも歌詞とシンクロすると歌唱が不安定になるときがあるのかもしれないなと感じました、「最後には笑うんだ!」で声が震えたかなというところも同様の印象を受けましたですね。
ラストの「ヴぁんでぃっつ…」とリフレインするところでは照明が暗くなります。ハンドクラップを求めるべにさん。
ラストの「…贈る賛歌!」は、舞台に立つアイドルと、フロアから見守るヲタクとの、共通する願いの表明、お互いがお互いに贈るエールであると感じられ、切ない思いが沸き起こります。


二人で「ありがとうございます!」
こたおさん「あけましておめでとうございます!掟ポルシェさんと白目キメて来ました!」
べにさん「白目が上手く出来なくて…ただのスケベなおじさんとわたしでした」


新年初ライブとべにさん、新曲の紹介、「歌詞、わたしが書いた」
二人で向かい合って曲名アナウンス、「かさぶた」、ステージではアナウンスされませんでしたが作曲は先日のべにさん生誕でのつるうちはなさんバンドでギターを担当されたGAGAKIRISEの吉澤幸男さんということです。
「水溜り」「歩いてく」「かさぶた取れて、取れかけていて」といった歌詞には、いまのあヴぁんだんどの置かれた苦しい状況を暗示しつつもステージに立つことをやめないという意志が表明されているのでしょう。
合間合間に鋭くピルエットを挟むべにさん、そのべにさんの歌う「アイスの味はもうわかんない」という歌詞は、甘いアイドルからの卒業宣言と取ってよいのかな。シンガーソングライターアイドルとでもいうべきか、アイドルというよりはアートに寄った印象の曲です。べにさんの前にこたおさんの歌った「溶けないアイス」とは、アイドルというあり方のかわりばえのなさを歌ったのか、不動のなにかを求める気持ちを表したのか。
振りつけはもちろんべにさんの手になるものですが、新しい振りの間をこれまでの曲で見慣れた宇佐蔵べに調というか宇佐蔵べに節の振り付けで埋めている感じですけれども、まずは全部埋めるというのはプロとして不可欠なことです。これまでの曲の振り付けが初演から変化していったように、この曲の振りつけもパフォーマンスを重ねるにつれ改変が加えられていくのでしょうね。

 

ラストは「あヴぁんだんど」、べにさん「ありがとうございました!最後の曲です!」、主催の963さんに感謝の気持ちを述べます。
べにさんのボウタイが解けかかっているなと思ってみていると自分で解いて右手に持ったままパフォーマンスするべにさん、こたおさんのソロ、べにさんのピルエット、べにさんが「ここにいるというのに」と歌うあいだにこたおさんは舞台奥にセッティングされたDJセットの後ろを回ります。こたおさんの「夢は…決して」でソロが終わるとまたべにさんがピルエット。
べにさんが「まわれ!」と煽りますがサークルモッシュは起こりません。

二人で「センキュー!」、べにさん「ありがとうございました!以上わたしたち、あヴぁんだんど、でした!」、最敬礼する二人、ここまで背負ったままだったべにさんのランドセルがずり落ちます。物販は終演後とアナウンス。「愛してまーす!」と叫んで退場するこたおさん。


2017年初めてのあヴぁんだんどライブ、痛々しいまでにいまのあヴぁんだんどをみるものに伝える新曲の披露に立ち会えたのは決して多くないヲタクさんでしたが、それぞれに感慨深かったのではないでしょうか。
二人になったあヴぁんだんどですが、べにさんとこたおさんのステージでのパフォーマンス、とくに新曲において「鏡のあちらとこちら」的な印象を強く持ちました。
緊張に満ちたいまの二人のあヴぁんだんどはなかなか良いのですが、もしかしたら新メンバーの補充によってより良い絵になるのかもしれませんね、無責任なことはいえませんが。