あヴぁんだんど 2016.06.20 @ 新宿レッドノーズ(IDOL HOUSE NEO vol.2)



セットリスト:
1. あヴぁんだんど
2. 勝手にしやがれ
3. てのひら
4. Feedback Friday
5. あヴぁんだんど(funny bossa mix)
6. オンナノコヤマイ(新曲)




SEも「ヴぁー!」も無しにメンバー登場、べにさんはお下げツインテール、夏季さんは右に小さく三つ編み、こたおさんは左にリボン。なお、新メンバーになってから金髪寄りの茶髪だった夏季さんはかなり濃い色に戻していますがシルバーを掛けて軽さを持たせたということです。
べにさん「最初、中国の方に向けてMC」、観客には事前の説明が無く、会場でも何の断りもありませんでしたが、中国に向けた中継が入っていたようです。
メンバーの立ち位置は下手からべにさん、夏季さん、こたおさん。普段どおりの「見捨てられたアイドル」であることの紹介、「こちらですかね?」とカメラを確認した上での、べにさんの自己紹介は「自称最年少!」、他のメンバーもいつもどおり。
こたおさんが中国語でカメラに向かってしゃべると、べにさん「なんて言いました?」、SEからやってほしいといったん退場。

ピチカートのSE、「ヴぁー!」、下手に設けられた出入り口から登場するさい、ペットボトルの水を蹴ってしまう夏季さん。
べにさん「世界に羽ばたけ…」、夏季さん「世界に羽ばたけ…」、べにさん「羽ばたけ、茶畑?」と夏季さんの挨拶を引用。

一曲目「あヴぁんだんど」、一昨日のライブではピルエットを控えていたらしく思えましたが今日は綺麗に回ってみせる夏季さん。「なぜーえっ!」と吼えるべにさんは、こたおさんのソロの後ろでピヨピヨしてみせます、こたおさんの自己紹介「チュンチュン」からの連想なのでしょう。
曲終わって三人で「センキュー!」

二曲目は「勝手にしやがれ」、イントロでのべにさんのセリフ「あー、もう夏だったー!プールなんか行きたいなー!」
夏季さんの歌声の勢いが良い。今日の夏季さんはなぜだか、観客に自分を示すことを非常に積極的に行っているのかなと思える、とても勢いのあるパフォーマンスを展開してくれました。引いた印象のあった彼女ですがステージで生きることに目覚めたのかな。
こたおさんの歌う「世界中を」が妙にリアルだったのは、彼女のお父様がフランスの方で、パリに住んでいたことがあったのを彼女自身が歌詞に誘発されて思い出したためだったのでしょうか。

「普段のあヴぁんだんど」シーン、こたおさん「デスマッチ!見に行きたいですねー!」、べにさん「デスマッチ!?」
べにさんはところどころでうっすら涙目になっているように見えます。こちらには見せない苦労がいろいろあるんでしょうね。そのべにさん、「生麦生米」の早口がいつのまにか上手くなっています。
その後の混乱シーンではメンバーが「ニーハオ!」「シェーシェー!」「オーアイニー!」などと口走ります。

べにさん「跳ぶよ!」、でメンバー全員、四回ジャンプ。
夏季さんの「止められない…止まらないの!」の歌唱がいい。
エンディングにピルエットを決めるべにさん。

MC、テレビ番組のテーマを口三味線で奏でるべにさん、サングラスを掛けた夏季さんに「また来てくれたんですね!」
最近の様子を聞く夏季さん、べにさん「最近、ヤンキーに、なった…体育祭、さぼってやった!」、こたおさん「体育祭がキライです!」

べにさん「ハナシにならないので」、夏季さん「今週、第一位の曲を、やります!」
三曲目は「てのひら」、夏季さんによって曲名アナウンスがなされるのは大変に珍しいことです。
べにさん「まだまだ行くよ!」と観客を煽ります。
リフトのあと、こたおさんがソロを取ろうとするとマイクが無い。ステージ前に落ちていたようなのですがこの時点では知るすべも無し。様子を見て取って、自らのマイクを素早くこたおさんに貸す夏季さん。こたおさんは小さく「センキュー!」と礼を言います、「メルシー!」じゃないのかとつまらないツッコミを心の中でするわたくし…先にも記しましたとおり、こたおさんのお父様はフランスの方なのです。
「手、伸ばして!」と唱えた後、客席に飛び込むべにさん。べにさんが少し悲しそうに見えたのですが、真実はいかに。「せーの!」からのあヴぁコール、ラストにピルエットをキメるべにさん。

次の曲はと思うと「Feedback Friday」でした。イントロで「ヲイ!ヲイ!」と吼えるこたおさん。実際の身長はけっして高いかたではないのですが、細身であるせいかステージでは非常に大きく見えるため、迫力があります。観客が差し上げるMIXのカンペを示しながら夏季さん「このカンペ、わたし、読めないので、みんな読んでください!」、カンペは客席に向けて差し上げられるのでステージに居る夏季さんの方からは見えないという意味なんでしょう。「ヲイ!ヲイ!」と煽るべにさん。

寝ているべにさんの横で、これまでだとプロポーズする夏季さんと受けるこたおさんのお芝居が展開していたのですが、今日は様子が異なりました。こたおさんが口でゴングの音をさせると、夏季さんとこたおさんがプロレスを始めます。そしてべにさんのラップから続くパート、「…時間だー!」と吼えるこたおさん、既成のアイドルをなぞるという姿勢はそこにはありません。

何回かのライブを見ていて感じたのですが、こたおさんは、アウェイあるいは強い緊張にさらされる環境だと「かっこいいハーフ」を演じることに避難する傾向があるようです。そうやってこれまで生きていらっしゃったんでしょうね。しかしながら、温かいヴぁヲタの見守る中、そして新たにあヴぁんだんどに魅せられた観客の前では、そんな構えは捨てていいのだと気づき始めてくれた様子である今、そしてこれからも、新しい観客にとって心安く近づける「あヴぁんだんど」であり続けて欲しいものです。古参は増えることはないし、新規が増えなければグループの収入は減る一方、ジリ貧となるのはごく簡単な計算と思います。

特別これまでとは変わったことをしているわけではないのに、端々にのぞく夏季さんの表情が充実していると感じられる今日のライブ。四つんばいになったべにさんを踏みつけてこたおさんがソロを取る間、マイクを差し出す振りをしている夏季さんを見ているだけで嬉しくなります。
べにさん「はい、せーの!」、こたおさんの「閉じ込めてしまう!」がリアルな感情を吐いているかのように響き、「メリーゴーランド」で三人ともピルエット一回。
ラストの「好きだよ!」にフロアから「オレモー!」と応えると、こたおさんがさらにそれに反応するかのようにぐっと手に力を込めるのが見えます。
べにさん「みんなも一緒に…もっと!」、跳ねるべにさん。メンバーがフロアに背を向けて、こぶしを突き上げて曲終わり。

次に始まったのはなんと「あヴぁんだんど(funny bossa mix)」、あんずさんを含む五人あヴぁんだんどの時代、最初に販売されたCD-Rに収録されていたナンバーですね。ソロはべにさん、夏季さん、こたおさんと進みますが、こたおさんは客前に出てきて観客に手を差し出します。
夏季さんの声がわずかに枯れるのにはっとします。数日前のライブで物販を欠席した理由がのどの炎症だったのが思い起こされるところですけれども、声の枯れはほんの一瞬のみでした。
ジャジーなパート、べにさんにプロポーズする二人、夏季さんの差し出した手を取るべにさん。
「ここにいるというのに…」、感情に流されず、しっかりお芝居してみせるべにさん。
こたおさんのソロ、べにさんはピアノの弾き振り、夏季さんは縦笛を吹くマイム。
エンディング、三人がそれぞれの片手を前に出すのは「文鳥」にもあったかな。

下手からこたおさん、べにさん、夏季さんのフォーメーション、こたおさんとべにさんは座って、夏季さんは立って。
始まったのは「オンナノコヤマイ」、ステージで演じられるのがまだ三回目の新曲です。作詞作曲編曲すべてつるうちはなさん。
スローなテンポ、ピアノをバックに歌いだす夏季さん、「…同じ病気…」という歌詞は、女の子というあり方を病気にたとえているのでしょうね、隠喩としての病、隠喩としての女の子。ソロの最後に客席を横目で見やる夏季さん、流し目のかたちになるのですがそういった振る舞いに伴うことの多い嫌らしさが全く無いのが夏季さんの静かな美しさを倍化させます。
テンポが上がり、音数も増えたところでべにさんが挨拶、「聞いてください!今日はみなさん、ありがとうございました!」
音楽の世界の住人たるつるうちさんの手になるこの曲、いわば他界である音楽の世界から持ってきたものをこちら側の人々にお見せしよう、音楽の世界がこの世とは別にあることなど知りもしないこちら側の人に。そんな手順に伴うべき興奮が反映されているかのような性急な曲展開、性急さに相伴いあるいは諌めるかのようなモチーフの多い振り付けによって他界の出来事はようやくこの世に伝えられるのであろうかという、曲そのものとは別のドラマが目の前を流れていきます。
「女の子はいつも…」、女の子として生きることは女の子を病むことだという表明。
べにさんが「傷つけて」と歌ったあと、歌詞に誘われたかのように、こたおさんのマイクがべにさんの横顔にぶつかった様子。大きな、ゴン!という音。こたおさんのマイクはフロアに落ち、べにさんのマイクが音を拾わなくなり、夏季さんのマイクをかわるがわる使うメンバーですが、ラストの夏季さんのソロはマイクの受け渡しが出来ずマイクなしで歌われました。べにさんのお顔が傷ついていないか心配でしたが無事な様子にほっとします。べにさんと夏季さんがピルエット。

曲が終わったところでべにさん「マイク壊した?」、落ちているマイクを拾ったこたおさん、パーツが飛び出してしまったマイクをしばらくいじっていますがふたたび音を拾うようになり「直った!」、べにさんのマイクは分解したりした様子はありませんでしたから、こたおさんがべにさんにぶつかったのを見てPAさんがとっさにオフにしたのかもしれませんね。
ライブ告知、25日のライブそして7月の夏季さんの生誕祭のアナウンス。
べにさん「いくつになるの?」
夏季さん「19歳…」
べにさん「嘘つけ。22のババーです」
物販が前物販のためにすでに終了したことをアナウンス。

マイクトラブルはあれど三人が協力し合って乗り切った今日のライブでした。アレンジ違いとはいえ「あヴぁんだんど」を二回やったのは初めてかな。