論文の紹介 「公務の縮小・民間化とその法的限界」晴山一穂 | なか2656のブログ

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行政法学者で公務員制度などがご専門の晴山一穂先生の論文です。


1980年代からの新自由主義に基づく国のいわゆる行政改革の推進を取り上げ、これらの改革には憲法上の限界があるのではないかという検討がなされています。


ゆきすぎた公務の縮小・民営化は、国民の生存権・社会権を保護すべき国家の義務違反となるのではないかとの検討や、また、憲法秩序における公務員制度の自律性の観点から、ゆきすぎた公務の縮小・民営化は憲法の限界に抵触するのではないかとの問題提起は、とても斬新なものであるように思われます。


これまで郵政民営化や市場化テストなどの行政改革をなんとなく漠然とした時事問題のひとつと私は考えてきたのですが、ホットな憲法的テーマの問題であることを知りました。
今後、公法学者の先生方が、この問題をどのように論じてゆくのか、とても気になります。


専修大学法学研究所紀要 【30 公法の諸問題 VI】
「公務の縮小・民間化とその法的限界」晴山一穂
http://www.senshu-u.ac.jp/~off1013/bunken/kiyou.html


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