行政法のテキストである、櫻井敬子・橋本博之『行政法』について紹介させていただきたいと思います。
いわゆる「サクハシ行政法」と呼ばれる本書です。
ある法科大学院の行政法の先生にお伺いしたところによると、最近の法科大学院の学生さんにとっては本書が行政法の基本書としてデファクト・スタンダードの地位にあるそうで、そういった意味で大学・大学院の先生方も講義の指定テキストにすることも多いそうです。
約450頁の一冊のテキストで、行政法総論から国家賠償・損失補償までカバーしているのが、学生さんから支持されている理由のひとつであると思われます。
(簡単にですが、情報公開法や個人情報法制も紹介されています。)
また、二色刷りで、随所に図表やコラムなどが配置されており、かなり平明でわかりやすいテキストです。
(イメージとして”基本書”というよりは、シケタイやC-Bookなどの参考書に似ています。)
さらに、行政法における重要な判例がかなりたくさん記述されていること(たとえば最近の小田急高架訴訟なども一項をさいて説明されています。)や、資格試験でよく問われる、たとえば行政事件訴訟法の平成16年改正に係る部分なども詳しく記述されています。
ただ、法律の勉強の初心者の方がいきなり本書を読み進めてゆくのは、少し厳しいような気がします。資格試験との関係では、初心者の方は、その資格試験に対応した予備校テキストをまずは読みながら、そのテキストではよくわからない点について、辞書がわりにこの「サクハシ行政法」を活用なさるのが良いのではと思われます。
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