6月26日　エムケイシステム　社労夢システム障害から学ぶこと

福岡・久留米のぶっちゃけ社労士、労働トラブル・就業規則リフォーム・求人採用専門家　吉野正人です。

6月26日　エムケイシステム　社労夢システム障害から学ぶこと

6月26日月曜日。今日は、社労士業務ソフト障害から、日頃の給料計算・手続き・電子申請問題について書きたいと思います。

※日本経済新聞より引用

｢社労夢｣にサイバー攻撃　社労士支援システムの国内大手

日本経済新聞　2023年6月13日 16:15

社会保険労務士向けのシステムを手掛けるエムケイシステムは、ランサムウエア（身代金要求型ウイルス）によるサイバー攻撃を5日に受けたと発表した。1週間以上が経過した13日午後3時の時点で、同社のホームページや、給与計算や社会保険の手続きを支援するクラウドサービス「社労夢」のサイトが接続しづらい状況にある。

エムケイシステムによると、社労夢は社労士向け業務システムでは国内トップシェア。管理事業所数は約57万という。発表によると、5日早朝にデータセンターのサーバーがダウンしたことから調査を開始。不正アクセスの可能性が発覚したことから、関連するインターネット回線を切断した。

不正アクセスを受け、5日に対策本部を設置して警察に通報したほか、8日には個人情報保護委員会へも報告した。8日時点で個人情報の流出は確認していなかったが、流出の可能性を考慮したという。業績への影響は現時点で未定としている。エムケイシステムは13日の日本経済新聞の取材に対し、「サイバー攻撃に関する問い合わせは受けない」と回答した。

※引用終わり。

エムケイシステム社の社労士業務ソフト・社労夢は、社労士業界でシェアトップのソフトです。業務ソフトと言うと、自社のパソコンにインストールして、自社のパソコンにデータを保存する方式が多かったと思います。

社労夢はクラウドサービスという業務ソフトで、総務省ホームページ説明を引用すると、「従来は利用者が手元のコンピュータで利用していたデータやソフトウェアを、ネットワーク経由で、サービスとして利用者に提供するもの」という事のようです。

社労夢も、エムケイシステム社のサーバーとネットでやり取りして、給料計算・社会保険手続き・電子申請等を行う方法です。自分のパソコンにソフトウェアがインストールされず、自分のパソコンにバックアップデータを保存・蓄積されない問題があると思います。今回は、想定通りのトラブルが、私の個人的感想ですが起こってしまいました。

ランサムウェアによるシステム障害が発生してから20日以上経過した執筆時でも、社労夢は復旧していません。給料計算・手続き・電子申請が出来ない状態が、続いているようです。バックアップデータはあるようですが、同業社労士さんのSNS投稿を見ている限り、データを「自由に」使えない状態のようです。ただ執筆時点で、6月30日以降復旧する旨の案内が出たようです。

毎月の給料計算が出来ないのはもちろん、毎年6月は労働保険年度更新や社会保険算定基礎届手続等社労士にとって繁忙期で非常に忙しいのに、業務ソフトで仕事が出来ない状態です。

今回のシステム障害で、なんでもネット・ソフト・デジタル化に傾倒するのは、危ないのでは？と危惧するこの頃です。しかも、ランサムウェアによるサイバー攻撃でのサーバーダウンなので、マイナンバーを含む個人情報漏洩の可能性もあると思います。社労士業務ソフトでシェアトップ会社の重大障害なので、執筆時点では社労士業界全体の問題になりつつある現状です。

なお当事務所は、「相談」がメインの事務所であり、手続きはプラスアルファで行っている為、社労夢を含む社労士業務支援ソフトは、使用していません。社会保険手続き・電子申請は、日本年金機構届書作成プログラムを使用しています。雇用保険手続きは、従来どおりの手書きによる書面作成です。