2009年5月27日。
約3ヶ月間滞在した“フロリダ州オーランド”のホテルをチェックアウトし、“オーランド国際空港”から“メキシコシティ国際空港”へ向かった。
メキシコへ行くことを自分達(NO LIMIT=高橋裕二郎&内藤哲也によるタッグチーム)で決めたくせに、その判断を少し後悔していたオレ。
『トラブルでもなんでもいいから、オーランド国際空港へ引き返してくれ〜』
『間違って、日本の空港へ向かってくれ〜』
そんなことを願いながらのフライトだったんだけど…
残念ながら、見えてきたのはメキシコシティの街並み。そりゃそうだよね…。
約3時間半のフライトを終え、飛行機はメキシコシティ国際空港に着陸した。
そんな気持ちのまま入国審査を済ませ、到着ロビーを出た。
飛行機を降りると、ちょっと独特なニオイがしてきた。
ガソリン臭いというか、排気ガス臭いというか…。
まぁ後にこのニオイを嗅ぐたびに、
『あぁ、メキシコへ戻ってきたんだな』
って安心できるようになるんだけど、この時はもうパニック‼︎
『なんて危険な国へ来てしまったんだ‼︎』
『オレ終わったな…』
すると、目の前には沢山のカメラと無数のフラッシュ。
『なになに?有名人でもいるの?』
と思ったけど、すぐにそのカメラやフラッシュが自分達へ向けられていることに気がついた。
こんなに沢山のカメラが空港で待機しているんなら、もっとちゃんとした服装にするべきだったな…。
街を歩くと、普通にプロレスのポスターが貼ってあって、
オレ(NAITOH)の名前もポスターに入っていた。
メキシコで迎える初めての夜。
↓ホテルの部屋から撮影(夕方ぐらいに撮影)したんだけど…
セブンイレブンがあるのわかります?
ホテルの出口から15メートルぐらいの距離なんだけど、ここはメキシコ。
『スリや強盗が頻発している』
ホテルから全力疾走でセブンイレブンへ入り、また全力疾走でホテルへ戻ってきたことを覚えている。
とにかく怖くて怖くて…。
メキシコ•CMLLでの初戦は2009年5月29日。
最後は“スターダストプレス”で勝利。
相手チームの中に、後にオレを“LOS INGOBERNABLES”へ導いてくれる“ラ•ソンブラ”がいたことも、何か運命的なものを感じる。
これもまた、“DESTINO”‼︎
運命だったのかもしれない。
(つづく)