「なんか違う」から始まる、デリケートゾーンのケア
閉経後の体って、どうなるの?
そんなことを、これまで真剣に考えたことはありませんでした。
「生理がなくなったら、閉経なんだな」
そのくらいの認識。
まして私は子宮を摘出しているので、もう生理が来ることもありません。
だから、
「生理がなくなっただけで、そんなに身体は変わらないのかな」
そんなふうに思っていたんです。
ところが最近、
「あれ?なんだかデリケートゾーンが、これまでと違う……」
そんな感覚に気づきました。
痛いわけでもない。
大きなトラブルがあるわけでもない。
でも、以前とは何かが違う。
なんとなく乾燥しているような。
なんとなく違和感があるような。
今まであまり意識していなかった場所だからこそ、「なんか違う」という小さな変化が、妙に気になりました。
そこで、これまで学んできた膣ケアや女性の身体についての資料を、改めて見直してみました。
すると、年齢とともに女性ホルモンが変化することで、デリケートゾーンにもさまざまな変化が起こることがわかりました。
「ああ、これだったのかもしれない」
そう思ったんです。
女性ホルモンは、デリケートゾーンにも関係している
女性ホルモンとしてよく知られているのが、
エストロゲンと
プロゲステロンです。
エストロゲンは、女性の身体を支える大切なホルモンのひとつ。
月経や排卵だけに関係していると思われがちですが、実は骨や血管、皮膚、粘膜など、全身のさまざまなところに関わっています。
もちろん、膣や外陰部などのデリケートゾーンも例外ではありません。
エストロゲンが低下していくと、膣や外陰部の粘膜や組織にも変化が起こり、乾燥しやすくなったり、刺激を感じやすくなったりすることがあります。
例えば、
・乾燥する
・ヒリヒリする
・違和感がある
・刺激を感じやすくなる
・性交時に痛みを感じる
・尿路のトラブルが増える
など。
こうした変化は、閉経前後の女性に起こる「GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)」という考え方でも捉えられています。
つまり、
「年齢だから仕方ない」
と片付けてしまいがちな身体の変化にも、女性ホルモンの変化が関係している場合があるということ。
これを知っただけでも、私は少し見方が変わりました。
もうひとつの女性ホルモン、プロゲステロン
そして、もうひとつの女性ホルモンがプロゲステロン。
プロゲステロンは、主に排卵後に増えるホルモンです。
妊娠に備えて身体を整えたり、月経周期を調整したりするなど、女性の身体にとって大切な役割を持っています。
年齢とともに卵巣の働きが変化し、排卵が少なくなったり、閉経を迎えて排卵がなくなったりすると、プロゲステロンも大きく変化していきます。
エストロゲンとプロゲステロン。
この2つのホルモンは、毎月の月経周期だけではなく、私たちの身体のさまざまな部分に関係しているんですね。
だから、40代、50代と年齢を重ねていく中で、
「以前と同じように身体を扱っているのに、なんだか違う」
と感じることがあっても、不思議ではないのだと思います。
「閉経したから仕方ない」ではない
私はこれまで、
「膣ケアをしましょう」
「子宮セラピーをしましょう」
と、女性の身体について伝えてきました。
でも、正直なところ、
自分自身の身体に変化を感じるまでは、その大切さを本当の意味では実感できていなかったのかもしれません。
知識として知っていることと、
「自分の身体に起こったこと」として感じることは、やっぱり違います。
今回、
「なんだか違うな」
と感じたことで、改めて自分の身体に意識を向けるようになりました。
そして、以前学んだ資料を読み返してみたり、女性ホルモンについて調べてみたり。
すると、今まで点だった知識が、少しずつつながっていくような感覚がありました。
「あのとき学んでいたことは、こういうことだったんだ」
と、今になって実感することもあります。
最近お休みしていたケアを、また始めました
実は、デリケートゾーンのオイルケアも、最近少しお休みしていました。
知っているからといって、毎日必ずできるわけではありません。
忙しかったり、他のことを優先してしまったり。
自分の身体のことなのに、つい後回しになってしまう。
でも今回、自分自身の身体の変化に気づいたことで、
「やっぱり、もう一度ちゃんとケアしよう」
と思い、また再開しました。
デリケートゾーンのケアというと、少し特別なことのように感じる人もいるかもしれません。
でも、本当は顔に化粧水やクリームをつけることと同じように、
自分の身体を知り、必要なところをいたわるセルフケアのひとつ
なのだと思います。
もちろん、オイルを使えばすべての乾燥や不調が解決するということではありません。
特に、膣の内部と外陰部ではケアの考え方も違います。
オイルなどを使う場合も、デリケートゾーンに使用できる製品なのか、成分は自分に合っているのかを確認することが大切。
「何でも塗ればいい」ということではありません。
また、乾燥だけではなく、痛みや出血、強いかゆみ、繰り返す尿路症状など、気になる症状がある場合は、自己判断だけで済ませず、婦人科などの医療機関に相談することも大切です。
必要に応じて、保湿剤や潤滑剤、医師の判断による局所的なホルモン療法など、さまざまなケアの方法があります。
デリケートゾーンは、もっと話していい
デリケートゾーンって、どうしても人には話しづらい場所ですよね。
「こんなこと、誰にも言えない」
「病院に行くほどではないし……」
「年齢だから仕方ないのかな」
そうやって、なんとなく我慢してしまう女性も多いのではないでしょうか。
でも、
「なんか違う」
という小さな感覚は、自分の身体からの大切なサインかもしれません。
大きな症状になるまで我慢するのではなく、
「今日はちょっと乾燥しているな」
「以前と感覚が違うな」
「最近、少し気になるな」
そんな小さな変化に気づいてあげる。
それだけでも、自分の身体との関係は変わっていくのではないでしょうか。
子宮がなくても、女性の身体は続いていく
私自身、子宮を摘出したことで、
「生理がなくなった=女性としての身体の変化も終わった」
どこかでそんなふうに思っていたのかもしれません。
でも、もちろんそんなことはありません。
子宮がなくなっても、卵巣が残っていれば女性ホルモンの分泌は続きますし、年齢とともに卵巣の機能も変化していきます。
そして、身体はその変化を少しずつ教えてくれる。
だからこそ、
「私はもう生理がないから関係ない」
ではなく、
生理がなくなった後の身体にも、ちゃんと目を向けてあげること。
それが大切なんだと思います。
何歳になっても、自分の身体を大切にする
デリケートゾーンのケアは、若い女性だけのものではありません。
むしろ、年齢を重ねていくからこそ、もっと自分の身体を知ってあげることが必要なのかもしれません。
身体を知ること。
触れてあげること。
潤いを守ること。
違和感を放置しないこと。
そして、必要なときには誰かに相談すること。
これは、何歳になっても大切なセルフケアなんだと思います。
今回、自分自身の身体の変化をきっかけに、改めてそう感じました。
これまで「子宮セラピー」や「膣ケア」について学び、女性の身体について伝えてきた私ですが、
自分の身体で感じて、初めて腑に落ちることってあるんだな。
そんなことも、今回の出来事から教えてもらいました。
年齢を重ねることは、身体が変わっていくことでもあります。
でも、それは決して「衰えていく」ということだけではない。
今まで知らなかった自分の身体を、もう一度知っていく。
今まで後回しにしていた場所にも、意識を向けてあげる。
そして、
「私は私の身体を、これからも大切にしていこう」
と思えること。
それも、女性として年齢を重ねていくことの素敵な一部なのかもしれません。
私自身も、これからまた自分の身体と向き合いながら、
「女性が自分の身体をもっと知って、自分自身を大切にできること」
を、これからも伝えていきたいと思います。
「なんか違う」
その小さな気づきから始まる、自分自身の身体との新しい関係。
それは、何歳からでも始められるのだと思います。