Q.NYDENAILのお客様は年代、職業は
どういった方が多いでしょうか?
20代後半から30代の方が中心です。職業はみなさんバラバラですね。
OLさん、主婦の方、お子さんと一緒に来てくださる方もいらっしゃいます。
その他PRやファッション系のお仕事の方など…
基本的にNYの時のお客様つながりが今でも多いですね。
Q.NYDENAILの平均的な価格帯、施術時間をおしえてください。
9000-15000円の間ですね。
平均するとオフ込とケア込みで12000円でしょうか。
キャンペーンアートを設定していない分、だいたいそのくらいで
収まるように、というのが念頭にあります。
ネイルって生活に不可欠なものではないのに、そこを敢えて
一生懸命働いたお金を出して来てくださるのですから、
期待以上のものを提供しなければ!と
常にプレッシャーを自分にかけています。
※清竹さんが花びら一枚一枚を作成している3Dアート、ジェイコブフラワー
施術時間は平均的に2時間から2時間半くらいです。
逆にお客様がサロンを何時までに出なきゃと言うと、
それに合わせてデザインを考えます。
例えば「何時までに子供を迎えに行かないと!」という状況だと、
「わかりました!すぐやります!」みたいな感じで。
他にも赤ちゃん連れのお母さんが途中授乳タイムを挟むとか、
そこはプライベートサロンだから出来る事だと思います。
Q柔軟に対応されているんですね。
今まで最長で何時間くらいかかりましたか?
4時間です。
その方のアートはマリメッコ(注9)のテキスタイル風で
こっていたので、時間がかかりました。
Qマリメッコというと、unikko(花柄)ですか?
NYで買ったこういうものがあるんですが…
(マリメッコのテキスタイルのメモリーカードゲーム)
これをお客様に見せて楽しんでもらいつつ、
イメージを膨らませて参考にしてもらう事もありますね。
Q.お客様が、NYDENAILに通われる、
一番のポイントは何だと思われますか?
うちはカラーチャートやサンプルに、お客様が欲しい色、
ちょうど良い色がなかったら
カラージェルを混ぜて、お客様の目の前で色を作っていきます。
お客様がやりたい色を探りつつ、自分では知らなかった
その人に似合う色を探していきます。
「それが良い!」と仰ってくれるお客様が多いので、
きっとそれじゃないでしょうか?
Q.先ほど伺った「色を楽しむ」ということですね。そうですね。
あとはオフの方法、NYDENAILに来るようになって
爪が強くなったと褒めていただくことも。
これは個人的にアートをほめられるより嬉しいですね。
爪ってその方の精神状態や健康状態がはっきり表れるんです。
例えば、恋愛関係でひどく悩んでいたお客様は、
とても爪が薄くなって痛んでいました。
他にも途中で爪がペラペラになったお客様に、
「3ヶ月くらい前に体調崩されました?」と
聞いたら、「どうしてわかるの!?」ってびっくりされた事もあります。
だから爪が痛まないように、ジェルの上層だけ削ってソークオフ、
それから綺麗にはがして、と時間をかけて丁寧にオフ、
という事を心がけています。
Q.お客様と接するうえで気を付けていることはありますか?
居心地の良いサロンの空間づくりは勿論ですが、
2時間も一緒にいるので、まずは私が腹を割って話すことで、
お客様が聞いてほしい事を話しやすくしています。
もちろん、お話したくない時は雰囲気でわかりますので、
無理には聞き出さないので安心してください。
自分で作った焼き菓子や、お客様の好みに合うよう、
お茶やコーヒーを数種類用意しています。
清竹さんはパン教室も開催されています。詳しくはブログで!
※清竹さん手作りのスコーン
Qオーナーとして一番大変なことはなんでしたか?
大変なことというか、大変な時期としては震災の後です。
お客様が急激に減ってしまって…。
街全体がスローになったというか、街灯も全部消されて
実際にとても暗くて。
そういう雰囲気に影響されて、私自身も一時期落ち込んでしまいました。
誰しも罪悪感というか「楽しむことが申し訳ない」という
気持ちを抱えていて、その影響で飲食店も
続々潰れてしまっていましたよね…。
Q.経営と言いますか、常連のお客様/ご新規のお客様へのアプローチ、
それぞれどうやって対応していらっしゃいますか?
正直、プロモーションの仕方を前々からちゃんと考えればよかったと、
今更ながら実感しています。
こうすればブログのアクセス数が増える!みたいなアドバイスって
ネット上に沢山溢れていますが、ネイルサロンを探してブログを
見ている人がほしい情報はそこじゃない気がするんです。
もっとネイリスト側が自分のパーソナリティー/内面を伝えないと、
お客様はわざわざ看板もないプライベートサロンに来たいと
思わないんじゃないかと。
とは言え、嫌味じゃない程度に空回りしない自分を見せていくのは
中々難しいです。でも大事なことだと思います。
色々考えながら、ブログで新規のお客様に向けて、
サロンの雰囲気、私のパーソナリティー、
そしてデザインを発信する作業をしている感じですね。
それプラス、常連のお客様が見て「次はどんなデザインにしようかな」と
楽しめるように構成を考えています。
自分をみせる、印象付ける、という意味では今日の取材で着る服も、
「どんな感じにしようかな、他の記事には赤い服の人いなかったな」と
思って赤にしてみました。
Q. エプロンの青と服の赤が鮮やかでとても素敵です!
このエプロンはNYにいた時から愛用しているものなんです。
帰国後KAZAMA NAOMIさん(注10)というアーティストさんに、
シルクスクリーンプリントをしていただきました!
で、このバッジはMONRO(注11)という、
大好きなアウトドア/アパレルブランドのものです。
Q. (エプロンとバッジが)全部そろって
「NYDENAILの清竹さん」という感じですね。
そうです。「負けないぞー」って(笑)。
Q.ご家庭とお仕事はどう両立されていますか?
サロンのお仕事プラス、撮影もするとなると更に大変では?
仕事場=自宅で、仕事の合間に家事を片付けるので、
今はそこまで大変ではないと思っています。
撮影の依頼もNYと違って、急に「今日来て!」というのは無いので、
今はそこも調整がつけられていますね。
Q.最後にネイルアーティストを目指す人たちへ、アドバイスを。
特にNYをはじめ、海外でネイリストになりたい方達へ、
本気のアドバイスをお願いします!
その質問は私自身よくいただきます。
とにかく本当に好きなら絶対やった方がいいと思います。
ビザの申請など準備は勿論、行ってからも色々大変ですが、
RPGみたいに一個一個クリアしていってください。
私が渡米した頃に比べ、今のNYは勿論、LAでも日系ネイルサロン、
日本人ネイリストがずいぶん増えました。
今後は日本人同士でのコンペティション(競争)が激しくなるから、
余計に大変だと思います。
でも好きだったら決して苦じゃないので、やれると思います!
本日はインタビューにご協力いただき、ありがとうございました。