道の駅さんさん南三陸グランドオープン(町長式辞) | 南三陸町と、『名前負け』するブロガーの日常

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宮城県南三陸町。

大震災からの復旧・復興期を迎えている今、
町はかつての面影を失いつつあります。

そして人々の記憶も失われていくもの。

将来、思い出の補完の一助となれば…。

その願いをもって、私は町を訪れています。

( ;谷)。oO(הללויה)

皆様のおかげさまをもちまして、これ以上ない素晴らし

い天気に恵まれました。本当に有り難うございました。

南三陸町は、誕生から今日、10月1日で18年目を

迎えることになりました。本日ご列席をいただきました

復興大臣・秋葉賢也様、宮城県知事・村井嘉浩様、

衆議院議員・安住淳様・小野寺五典様、南三陸町議会

議長・星喜美男様をはじめ、多くの関係者の皆様に

賜りました格別のご高配、ご支援に対し、厚く御礼を

申し上げさせていただきたいと思います。

 

皆様には、当町の復興事業を、今日まで力強く後押しを

していただきました。その集大成として、次なる

ステージへの新たな一歩を踏み出す拠点となる、

南三陸町道の駅・さんさん南三陸をグランドオープン

出来ますことに、感慨もひとしおであります。

 

このさんさん南三陸には、震災伝承施設・南三陸311

メモリアルを併設しており、震災伝承ラーニング機能を

メインに、震災伝承と防災教育、そして感謝を伝える

ことを最大の目的として整備をしたところであります。

 

あの日、多くの人々の明日が何の前触れもなく絶たれま

した。私もそうであるように、町民の多くが、その

人々の想いを引き継がねばならないという覚悟を胸に

秘めて、ここまでの日々を歩んできました。

 

その歩みを支えてくれたのは、数えきれないほどの

多くの全国・全世界から温かい手を差し伸べてくれた

支援者の皆様であることは言うまでもありません。

辛く、絶望的な震災ではありましたが、皆様からの

一通の手紙に、一片の折り鶴に、何気ないお声掛けに、

私達は無限の力をいただいて参りました。

そして多くのご縁も結ぶことが出来ました。

この経験を次の世代に伝え継いでいくことが、私達の

使命であると思います。

 

また近年の度重なる自然災害や、終わりの見えない争い

の映像を目にする度に、命の重さや尊さ、そして有事の

際に自分の命は自分で守ることの難しさなどについても

しっかり伝えていかなければならないと考えており

ます。

 

このように、たった一つの尊い命をどうしたら守れるの

かを、自分ごととして考え続けていただきたいという

我々の想いを多くの皆様によって実現することが出来

ました。

 

施設の設計を担当されました隈研吾様におかれまして

は、9年前のグランドデザインに始まり、さんさん

商店街・中橋・そして集大成となる南三陸311

メモリアル、当町の復興を支えていただきました。

 

ダハ・プランニングワーク・吉川由美様におかれまして

は、本施設の根幹を成す、ラーニング映像、展示制作に

ご尽力をいただきました。

アムウェイ合同会社様におかれましては、震災から

2年目の2013年に、町民が集えるポータルセンター

の建設をいただき、更に今般の本設設置にご支援を

頂戴をいたしました。

 

更に福武財団様におかれましては、普遍的な感動や

命を想う場所であり続ける為のアート作品展示に向け、

クリスチャン・ボルタンスキー氏との橋渡し役を最初に

していただきました。

 

河北新報社様におかれましては、震災から10年の

節目に特集された記事や記録映像の展示にご協力を

賜りました。

 

東日本旅客鉄道株式会社様におかれましては、道の駅内

への志津川駅設置にご協力をいただき、これにより

交通のハブ機能が強化され、交流人口の拡大の基礎を

整備することが出来ました。

 

そして施工を担っていただきました山庄建設株式会社様

をはじめ、工事関係の皆様には大変素晴らしい

施設の竣工に漕ぎつけていただきました。

 

こうして壇上から皆様方のお顔を拝見し、多くのお力添

えにより、本日を迎えることが出来たのだと実感を

いたしております。改めて衷心より厚く御礼を申し

上げさせていただきます。

 

人は自然の一部であり、決して自然の力を越えることは

出来ない、命の尊さや支え合い、生きることの喜びを

南三陸町で感じていただき、それぞれが感じられたこと

を、次の世代に伝え継いでいただければ、これ以上の

喜びはありません。

 

 

 

南三陸311メモリアルの開館は、本町が命を想う町で

あることへの一歩になるものと思っております。

結びに、本日ご列席の皆様のご健勝をご祈念申し上げ、

式辞とさせていただきます。

令和4年10月1日 南三陸町長 佐藤仁

 

本日は大変お忙しい中、有り難うございました。