震災から10年が経過し、宙に浮いていたその存在の
方向性がそろそろ決まるのだろうなぁ…と個人的に考え
ているものが町内には複数あります。
その一つがこの重機です。
町並みが整いつつある中、ポツンと置いてけぼりにされ
てしまった重機とは、もう約10年の顔見知りです。
敢えて接写を試みたのは、私の中で確固たる予感が
あったのでしょう。別れの日は近い、という予感です。
ある日突然、“彼”はいなくなってしまいました。
廃棄されたのか。持ち主が処分したのか。
いずれにせよ、ここには大きな「不在」だけが佇んで
いるように私には感じられました。
消える遺物あれば、残る遺構あり。
時間を掛けて、様々な“現在”を追ってみようと
考えています。