腰を低くし下手に出るとナメられる…
立場を利用し高圧的に出ると反感を買い潰される…
そうなることは火を見るより明らかでした。
なので、必要だったのは、

相手を敬いながら、相手から信頼を得ること。

これが最も求められることでした。
テクニック、経験、センス…
その全てに於いてはるかに未熟な僕が
先達の人たちから信頼と服従を得るために出来ること…
それは体力と根気を駆使した“粘り”だけでした。

1.全ての仕事を断らない
2.人より先に根を上げない
3.相手への敬意を怠らない


とにかくこの3つのことを徹底しました。
辛い時は誰しも辛いわけです。
ですから、自分が他の誰よりも粘り強くいること…
普通なら愚痴を言う場面で堪えること…
誰もが苦手と思うクライアントを好きになること…
他の人なら出来ないような過酷な仕事を
たとえやせ我慢であっても、
さも造作もないことのような顔で
平然とこなしてみせること…ただ、それだけでした。

やんちゃしてた頃は2度ほど殺されかけましたし、
子供の頃から徹夜グセがあり、
もともと睡眠時間も短くてこと足りる方だったので、
16時間労働だろうが、20時間労働だろうが、
死ぬ気で堪えました。

このことで、
どんなベテランでも自分に対し驚異を感じるワケです。
その状況で相手を持ち上げる…
するとベテランの人たちは悪い気はしないのです。

自分を追い落とそうとする者を誰しも排除しようとします。
排除しないまでもその人のことを悪く思います。
その黒い感情は誰かに陰口を言ったり、
仕事をする時に全力を発揮できない…
などのマイナス効果として具現化してしまいます。
つまり仕事がうまくいかないわけです。
関わり合う全ての人が不幸になる状況を作り出してしまいます。

ですが、人は自分に好意的な者を排除しようなどとは考えません。
逆に何かあったら助けてやろうとさえ考えるようになります。
この作用を利用しない手はないのです。
ほんの少し、自分が驕慢に酔うことを抑えるだけでいいわけです。
僕が長年培ってきたプラスマイナスゼロの論理は
このあたりから生まれました。

僕が一時の驕慢に酔うことをプラス3とすると
僕の下で仕事をしている人(仮に3人とすると)は
マイナス3×3人
結果、マイナス6の負を生み出します。

人は自分の自慢をすると気持ちがよくてプラスになります。
人は他人の自慢を聞くと気分を害しマイナスになります。

この生み出された6のマイナスは自然消滅することはありません。
自然の摂理がどこかでツジツマを合わせようと作用します。
例えば他所で悪口を言われたり、二度と相手にされなくなったり…
酷いときには自分と接したこともない人からまで軽蔑されたり…
それは悪事千里を走る…の言葉通り、
効果覿面、自分にマイナスの効果として跳ね返ってきます。
これぞまさに因果応報…

もしこのマイナスを至るところで生み出していると
負のスパイラルが発生し、谷底へと吸い込まれていきます。
マイナス6が×2にも×3にもなってしまうことも…

逆に言えばプラスの効果も同様なワケです。
失ったマイナス分を他の人間がカバーし
埋めてくれようと作用します。
そのプラスの効果は至る所でシナジー効果を発揮し、
予想以上に自分を思ってくれたり、助けたりしてくれるのです。
その効果が発揮されると初対面の人からすでに信頼されている…など

これを生産的心のシナジー効果と呼んでます。

まさに持久戦とも呼べる心理合戦です。
焦らず、傲らず、ただただ相手を敬い、そして耐える…
相手が自分に対して、
僅かでも畏敬の念を感じてくれたらしめたものです。
勝手に動き出し、いつか、どこかで、
自分にとってプラスの結果を
もたらしてくれたりするものですから…
このことは自分と部下の関係だけでなく、
自分とクライアントの関係構築にも応用できるワケです。

僕は、仕事はセンスや技量、知識のような
可視可能なものと同様に、
こういった地固め…
目に見えない砦作りも大切なことだと思っています。

他山の石を以て玉を攻むべし…

人と人が関わり合うのが人間、
その出会いの中には一つたりとも無駄などないと
信じている偽善者です。

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