Violinist 柴田奈穂 Official Blog

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ヴァイオリン奏者です。
タンゴを中心に、各地さまざなシーンで活動中!!

2021年10月27日。

初めてのアクトリハがエフェクトタンゴのスタジオで開催され、顔合わせ&挨拶と動きのない読み合わせ。宮沢由美さんのピアノにのせた主役3人とダンサーの皆さんの声がスタジオに響き渡った。







アクトリハは合計9回予定し、みなさんレッスンやミロンガ、ショーなどの予定も多々あるので、平日の午前中に行った。のちに9回では足りず、2回の追加をすることになるのだが。

 

2回めはいよいよ1曲目の『Alevare(開始の合図)』から動きをつけてゆくことに。

ここから、演出家のレオさんの仕事が本格的に始まった。

 

レオさんもまたこの作品の解釈に最も頭をひねった一人だ。彼はずいぶん長いこと、テキストと向かい合っていたと思う。音楽についてのことは全て任せると言われた。だから私も芝居的な動きの作りについて、任せるつもりでいた。それぞれのプロたちのアイデアは素晴らしく、スピード感にあふれていた。

だいたいのシーンは、演出のレオさんがあらましとイメージを伝え、それをゴンサロさんが主な振付師として具体化してゆくというやり方だった。

 

1曲め、ミュージカルで言うところの序曲的な「アレバーレ」では、アルゼンチンの葬儀のイメージが取り入れるアイデアが生かされた。




 

3曲めの『Balada para un organito loco(いかれたオルガニートへのバラード)』まできて、ここでイメージ作りに違和感が出た。都会の物語としてあくまで描こうとしたレオさん。

この曲は、序曲を経ての物語の立ち上がりだ。タンゴが生まれる過程を聖書の物語にひっかけながら、マリアの成長を描いている。

タンゴの発祥はもっと田舎の方であり、それがだんだん都会化してくるイメージを具現化するステージを私は思い描いていた。「うーん、どうかな」と思っていたら、ドゥエンデ西村さんが同じ違和感を覚えたらしく、レオさんに違和感のありかを説明してくれた。

 

群読の問題も出てきた。

言葉そのものが難しく、言いにくそうだし、タイミングが難しい。とりあえず私がその場はQ出しをすることになったが、これを本番どうするのか??

この日は、ここで終了。

 

結局レオさんは3曲めに関して、それを同じ場所の時の経過を見せるというイメージで、やり切った。どこを描くかというだけの話で、レオさんにはこれで大丈夫という確信があったのだ。それならそれで良いと私も思った。

 

並行して、映像制作、配信準備、CD化に必要な段取りなど。西村秀人さんは、訳を字幕に合う分量に簡略化するのに頭を悩ませていた。

 

字幕のQ出しをする人が必要で、スペイン語が分かって楽譜が読める人を探し始めた。これが難しい。

別件でピアニストの青木菜穂子さんのお宅に行った際、この話をすると「私やってもいいよ〜」と言ってくれるではないか!素晴らしいミュージシャンである菜穂子さんに裏方を頼むのは申し訳ないと思ったが、これ以上の人材はいない。涙ものでありがたくお願いすることにした。

私は、人の縁に恵まれているのだ。菜穂子さん、本当にありがとう。

 

スタッフさんたちと共有するメールは専門用語で溢れて多量のやり取りが毎日届く。

アレがいる、コレがいる、と予算は毎日膨れていった。かなり考えて立てた予算だったのだが。もう、満席にするしかないと思った。

 

例えば、ワイヤレスマイク。主役の3人とダンサーさんたち全員分で8回線必要だった。既存のものだけではこれだけ確保するのは難しいという。追加機材を頼むと15万円。ここはCD化を考えるとケチらず、全ての波形を個別で押さえることが大切だと思った。

 

さらに座・高円寺の音響卓が特殊なもので、そこから音声をマルチで録音しCD化するため、追加機材が必要だった。これに9万円弱などなど、もっと細々したものまで。

 

舞台のつりスピーカーの位置問題もあった。袖幕撤去のため舞台上手端の壇上に位置するファーストバイオリンとスピーカーが干渉してハウリングを起こすと言うのだ。持ち込みスピーカーを置けば、客席の動線を変えてしまうと言う。レオさんは折れなかったし、私も客席を制限するのは良くないと思った。音響の小俣さんはそれに応えてなんとかしようとしていた。

解決しなければならないことがまだまだ、今山のどの辺にいるのか、だいたいの企画では見えるのだけど、この企画は掴めなかった。それだけ私にとっては頂上の見えない高い山に、それでも登ってゆくしかなかった。

 

#5月19日

#ブエノスアイレスのマリア

#CDリリース記念ライブ

#スターパインズカフェ