何か映画館で映画を見たいなぁと思って探していたら、前からものすごく見たいと思っていた映画を発見したので早速行ってきました。

エンディングノート

高度経済成長期の日本を支えた「段取り命」の熱血サラリーマンだった主人公の砂田さんが、退職して第二の人生を謳歌し始めた矢先にがんの宣告を受け、まず取り組んだのがエンディングノート作り。つまり自らの死の段取りをし始めた・・・それを、実の末娘でありこの映画の監督である砂田麻美さんが記録したという、驚きのドキュメンタリー映画です。

こちらが予告↓



人って、死を前にしてあんな風にいられるもんかなぁ。
死をまっすぐに見つめながら、その残り時間に何ができるかを考え、それをひとつひとつ実行し、怯えていてもそれを表に出すこと無く、冗談や愛の言葉を口にしながら静かに去って行く。

・・・。

それをまた、家族と言うこれ以上ない近い場所から、冷静で客観的に、それでいて愛情こめて記録している監督もすごい。

さっき見てきたばかりなので、あれこれシーンを思い出すだけでまた泣きそうになっちゃうんですが、この映画、というより、きっと主人公の砂田さんの残したものに、驚き、まだ感動し続けている状態です。はぁ。
こんな死がみんな迎えられる訳ではないだろうけれど、死としては限りなく理想に近いものなんじゃないかな。変な言い方だけど、人生のすごく大切な勉強をさせてもらったような気分です。

砂田さんは侍だな。


そう言えば、吉本隆明さんが亡くなられていたことを、昨夜知りました。娘の吉本ばななさんの文章などから、随分お年を召されていらっしゃるんだということは察していましたが、何冊かの本を手に取ったことがあり、また少なからず影響を受けた方だったので、遅れてその死を知り、昨夜は少しの間呆然としていました。
亡くなられたのは、私が先月の海外ロケに出て間もない時だったようなので仕方がありませんが、「エンディングノート」の砂田さんのように、愛に包まれた最後であっただろうことを、そしてご冥福をお祈りするばかりです。

諸岡なほ子の『旅の途中のスウィートホーム』-__.JPG

どうやら私の大学の恩師が追悼文を書いたようなので、早速こんな文芸誌を買ってきてみました。これからじっくりと読みたいと思います。

あと、

諸岡なほ子の『旅の途中のスウィートホーム』-__.JPG

最後に、侍な表情の、今日神社で出会ったネコ様。
でも、喉のところを撫でてあげるとゴロゴロ言ってました。
愛しいぜ。