ネパールに着いた翌日、カトマンズからポカラへと飛んだのですが、その飛行機に乗る前に、数日前からネパールに来ていた友達に会う事が出来ました。それが、ネパール最初の出来事。

諸岡なほ子の『旅の途中のスウィートホーム』-__.JPG

もしかしたら、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。真ん中にいるのが友達の石川直樹さん。そして、右側がネパール編のディレクターの三好さん。

石川さんは写真家で文筆家でもあり、なによりある時期は世界最年少でセブンサミッツ(7大陸最高峰)を制覇した冒険家。すごいですよねー。以前、雑誌の鼎談でご一緒して以来、仲良くしてもらっています。

実はその石川さん、このときからずーっと、今もネパールにいらっしゃいます。それも、あの世界最高峰エベレストの斜面に。というのも、今年10年ぶりにエベレスト登頂にチャレンジされているからなんです。
この時に会って直接エベレスト登頂の激励をできたことは、本当に光栄です。

石川さんの旅は山に登るだけでなく、スターナビゲーションで海を渡ったり、気球で空に舞い上がったり、人類学や民族学的な視点で世界中を見て回ったり、本当に様々。それを記録する写真の腕はもちろんのこと、余計な装飾のない知的で冷静な文章は、却って事実をリアルに感じさせてくれるので、私も大好き。
最近ではNHKの番組などで旅人として出演されていたりもするので、去年の私のブラジルロケは直前に石川さんがきてた!なんてニアミスもありました。
天は二物を与えずとはいうものの、知力体力芸術的表現力と、さらに震災の後すぐに被災地に入って物資を運ぶと言う正義感や行動力まで持ち合わせたスーパーマン。本当にびっくりさせられます。

その石川さん、今回のウェブ上の日記でスケジュールを見てみると、今日5月19日はエベレストのキャンプ3から4へと移動される予定。そして明日はいよいよ、キャンプ4から頂上へのアタックがかけられるそう。ドキドキ。ベースキャンプから更新された日記を読んでいると、現地の環境の厳しさや、それでも登るという決意のありようがひしひしと感じられて圧巻です。皆さんも良かったら是非ご一読を。

石川直樹 For Everest
http://www.littlemore.co.jp/foreverest/

なので、今日と明日は私も石川さんの無事の登頂と帰還を心から祈りたいと思います。そしてまた、感動的な写真と文章が産まれてくる事を楽しみにして。

きっと今、ヒマラヤの魅力や魔力を誰よりも強くリアルに感じているんだろうな。

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その強度にはさすがに及ばないかもしれませんが、私たちも「世界ふしぎ発見!」のロケをしながら改めてヒマラヤの魅力に感じ入りました。自然はもちろん、それらが育んだ人々の生活や宗教などの豊かな文化にも。
また、何だか最近のロケでは怖いくらいに運がイイこおとが多いのですが、このネパールの時にも当初は資料映像でしかご紹介できない予定だった少女の生神クマリを、目の前で撮影させて頂く事が出来ました。クマリは、館の中で生活していて、その館に行けば姿を見る事は出来るのですが、撮影は一切許されていません。もちろん、私たちの番組で申請を出してもそれは同じ事。しかし、それが年にわずか数回だけ許されるときがあります。クマリが館を出て神輿に乗り、街で行われている祝祭などに姿を現す時。しかし、それがいつなのかと言う情報を、正確に掴むのは至難の業。なので、当然の事として私たちは以前撮影された資料映像を番組の中で使うべく、現地のコーディネーターさんに用意して頂いていました。が!なんと、私たちがクマリの館やその周辺を取材していたその当日、なんとクマリが館から出てくる!という情報が飛び込んできたのです。それはもう奇跡としか言いようのないほどのタイミング。その情報をキャッチして数時間後には、私たちはクマリの乗った神輿を目の前で撮影する事が出来ました。
小さな小さな少女であるクマリなのですが、顔を白く塗り、黒々としたアイラインを上下に入れ、抑制された表情でゆっくりと辺りを見ている様子は、思わずゾクッとしてしまうほどの魅力を放っています。
ま、百聞は一見にしかず(笑。
クマリの美しさもヒマラヤの神々しさも、早く皆さんのもとにお届けしたいです!
今週末、いよいよですねー。

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お楽しみに~。