諸岡なほ子の『旅の途中のスウィートホーム』

こちらはシフィドニツァ。
素晴らしいお天気に恵まれて、外で待機しているときも、撮影隊みんなカメラ片手にそれぞれの作品作りにいそしんでおりました。私のは野の花の下に潜り込んで、誰よりも何よりも低い視点から見上げてみると言う挑戦。気球とちょうど反対の試み。だけど地下施設には及ばないか(苦笑。
ひとまず、この作品に込めた想いは、高いビルから見下ろすばかりが世界ではない、みたいな。そうでもないような。単なる喜びのような気もしますが。

諸岡なほ子の『旅の途中のスウィートホーム』

しかしシフィドニツァの内部の壮麗さといったらありません。足を踏み入れた途端にこみ上げてくるものがありました。美しすぎますし、細やかすぎます。ため息が止まりません。

諸岡なほ子の『旅の途中のスウィートホーム』

全体の雰囲気をカメラに収めると、つぎは細部を・・・と、本当に欲張りになって撮影してしまう空間でした。でも、それでも私の腕では、あの温かく華やかな雰囲気は写し取れていません。

諸岡なほ子の『旅の途中のスウィートホーム』

そういえば、シフィドニツァでは、うェブサイト用にとOディレクターが逆インタビューを受けてたんですけど、もしかしたらどこかに掲載されてるのかしら。そのインタビューの時に頂いたホットチョコレートがまた、とろりと甘美な口当たりで、甘くほんのり刺激的で、素晴らしく美味しかったので、私はその後3~4日、食後にホットチョコレートを飲んでしまっていました。刺激的と言うのは、そこにわずかに唐辛子をトッピングするから。ホットチョコなんてどれも同じようなものだと思っていたけど、ああいうのは、これまで飲んだことないなぁ。うっとり。

諸岡なほ子の『旅の途中のスウィートホーム』

そしてこちらはヤボル。
内部の装飾はシフィドニツァよりもシンプルなのだけど、その分、本当に僅かな時間でなんとか力をあわせて作り上げられた奇跡の空間と言う感じがします。もし存在するならば、ノアの方舟ってこんな感じなのかも、とも。

諸岡なほ子の『旅の途中のスウィートホーム』

ぎっしりと旧約聖書と新約聖書のシーンが描かれていて、知らないなりに「あれがラストサパー?」などと言いながら、ひとつひとつの絵を見上げました。心を込める、というよりももっと壮絶なエネルギーを感じます。そして美しい。

どちらも木造建築。
大きくて、丈夫で、人の手が細やかに入れられていて、美しい。
ちょうど今年は、秀吉の黄金の茶室とか、利休の待庵や、信長の安土城、金剛組の宮大工さんたちと言った日本の木造建築に関わる取材を沢山してきていたので、多少なりとも比較して見る視点を持てたのは、建築素人の私にとっては幸運でした。
あと個人的には、今年の夏に京都、西本願寺の御影堂を見に行ったりもしていたのですが、巨大な木造建築で信仰の場でもあると言う意味では、ほんの少し似た部分があるのかもしれません。でも、その姿のあまりの違いに驚嘆。
勿論、どちらも素晴らしい。ちょっとヤボルとシフィドニツァの教会を作った人たちに、日本の木造建築も見せてあげたいなと思ったりもして。

諸岡なほ子の『旅の途中のスウィートホーム』

最後は、ヤボルの教会の木の壁に、ちょこちょこ、ものすごーく年代物の落書きを見つけたりして、ある意味感動してしまったりもしたんだけど、やぱり落書きはいけません。したいならばこういう具合に、自分のカメラのメモリーにだけ残しましょう!と作った、キツネちゃん。

奇跡の教会で残した私の軌跡。

お後がよろしいようで。←自己満(笑