両親は無事に九州に着いた模様。
ふー。

ちょうど私が引っ越しをしますと連絡をした時に、両親の方ではそろそろ東京に様子を見にいきたいと思っていたらしく、ならば引っ越しが落ち着いてからであれば、新居も見られてよいだろうと言う事で、両親の当初の希望から1ヶ月ほど予定を後ろにスライドさせて、今回の滞在になりました。
3泊4日。うち1泊はツアーのパッケージになっていたホテルに宿泊してもらったけれど、後の2泊はウチ。私が前情報として「建物は古いよぉ」とか「海抜ゼロ地帯・・・」と悪い事ばかり吹き込んでおいたせいか、来てみたらすごく明るくて気持ちのよい部屋だと満足していました。特に気に入っていたのは、食卓兼、仕事の作業机となっているかなり大きめのテーブル。3人で食事をしても余裕の広さなので、食後の会話も広がると言ってました。でしょ~?(だったら大牟田の実家もそうしようよ~、と、内心思う私)
また、両親は早朝から散歩をしていましたが、隅田川沿いや小さな運河沿いを歩いたりできたのも心地よかったみたい。今度はスニーカーを持ってくると言ってました(笑。うむ、その方が良いと思われる。是非に。

で、そんな両親滞在の合間に、私は当然仕事もせねばならず、昼間は色々とリクエストに応えたりしていたので、主に両親が寝静まった夜中にコンピュータに向かい合う事に。そうこうしていたら、ここ3日間の睡眠時間、合計12時間もないと思われる・・・。両親が来て楽しそうにしていてくれた事はとても嬉しかったのだけど、一方では焦りや疲れが。うぅぅ、きれいごとばっかり言ってられない、これが現実だわ~と思いつつ、今また焦って遅れを取り戻そうとしている所です。

でも、喜びや疲労や焦りを感じる私を俯瞰で見ている私もいて、多分人生ってこれでいいんだなと漠然と感じています。
ハッピーなことばっかりとか、綺麗なことばっかりじゃなくって、どっかで何かのバランスをとらなくちゃいけなかったりしてキツイこともある。けれども、何もないよりそれは、きっとずっと素敵な事なのではないか、と。そんな日々を送りながら、心の体力をつけていくんだろうな、と。

そういえば、母親が眠ってから、夜中にしばらく父親と作詞の事について話をした時間があったのだけど、父親の感性の柔軟さに驚かされました。とあるR&Bの女性アーティストの曲や歌詞や写真をみせて、その人についてたくさん話をしたのだけど、私より年下の女性の感覚や人生観も的確に捉えていて、ちょっとしたプロデュースの方向性も打ち出したりなんかして、いやぁ、本当に驚きました。普段の父、母親が揶揄する父、お酒にとっても弱い父、見た目にもよろしくない前歯の治療もしない父、というマイナス方向のイメージが私の中で勝手に醸成されていたのだけど、新たな、そして頼もしい一面を見ることができました。
ウチの親は戦前の人だから感覚が古い(硬い、もしくは新しい物を理解しない)かもしれないなんて思っていたけれど、そりゃアタシ、反省だな。まあ、日本の古くからの感覚を大切にしたいと思っている私なので、古いなら古いで構わないとは思っていたけれど、古さも新しさも受け止められる柔軟さ、もしくは、どちらにも秘められている普遍性を読み取る力を、思った以上に持っているのかも。ひょっとしてこの人は会社で働く人になるよりも、文学や音楽に進むこともできたのではないかと思ってしまいました。褒め過ぎ?いや~、でもそれぐらい、的確な曲想や歌詞の捉え方にびっくりした。私、負けられん。
でも、そんな父親の感覚に、密かに励まされました。血のつながった家族の中にそんな感性を持った人がいてくれる事と、何歳になっても自分次第で瑞々しい感覚を持ち続けられるのだなぁという事。うむ、よかった。頑張ろうっと。


あ、ところで今日、琴欧洲関優勝しましたね。
笑顔がすごく可愛らしかった。
お相撲もまた見に行きたいな。
ちなみに、両親は相撲観戦、幕内後半からはしっかりと起きてそれぞれの取り組みを見てましたよん。朝青龍と飛び交う座布団に母が異様に喜んでました(笑。



写真は、NHKの朝のドラマに触発されて行った月島のもんじゃ屋さんにて。もんじゃは人生初の経験だったと言う両親。もんじゃ焼の1玉目はお店のお姉さんに丁寧に解説してもらいながら焼いて頂き、早速2玉目を焼いてみた父・・・。
そのやたら器用な手つきに驚愕した私。見てやって下さいよ、はじめてとは思えないこの美しい土手(もんじゃは先に具材をいためてから土手を作り、残りの水分をその土手の中にてぐつぐつさせつつ、最後は一気に絡めあうと言う手順)。全く決壊してませんでした。すごいっ。やっぱり父、ものづくりという人生もあり得たのではなかろうか。今からでも遅くない気もする。母は、「大牟田でもんじゃ屋さんばしようかねぇ」と調子に乗ってました。

そして翌日の朝、件のドラマを見ながら
「あ~、おんなじこ~んちょかへらでたべよらすね~」
(こんちょか→小さな)
「最後に映っとった橋は昨日通ったごたるなー」
(ごたるなー→みたいだねー)

と、月島のおさらいをしておりました(笑。
ハッピーエンディング、東京物語、です。