そして徳島三日目。



じゃーん。大鳴門橋(おおなるときょう)!しかも下から!!
「わんだーなると」という船からの眺めです。おっきー!

というわけで興奮の阿波踊りを終えたその翌日、私は日立化成ポリマー関係者の皆さんと一緒にプチ徳島観光。なんか、いいんですか!?そんないい想いばっかりさせて頂いて(笑。

船ってまたいい乗り物ですよね。例え潮風に髪をぐちゃぐちゃに揉まれようと、ジリジリと日光にさらされようと、甲板に立って海をぽぉーっと眺めていたくなります。この「わんだーなると」号は鳴門の渦潮を見る為に出ている観潮船なんですが、今回は残念ながら渦巻く潮の様子をまじかに見ることは出来ませんでした。でも、深いエメラルドグリーンと濃紺のふたつの潮流が複雑に混ざり合っている様子や、その辺りには特に白波がたっている様子はしっかりと見てきました。
それと、写真に写っている船、いくつかの釣り糸を垂れながらプカプカと浮かんでいたので漁船なんでしょうが、面白い形をしているんですよね。後ろに三角の帆が立っている。エンジン付き帆船!?こういう船が何艘も出ていたので、やっぱり潮流の混じり合うところは魚も多いのかなぁなんて思って眺めていました。こういう形の船って全国的に見られるのかな?←ご存知の方是非教えて下さい。

そういう風に物事に興味を持って眺めるのも旅の魅力のひとつですが、ただひたすらにぼーっと出来ることも旅の魅力だと、思いません?
でも多分、この「ぼーっ」としているというのは、外から誰かが自分のことを見たときの表現であって、「ぼーっ」としてるように見える人自身は、何かがその内側で変化しているんじゃないかと思うんですよねえ。みんな。私の場合、海は自分の中でモヤモヤしたものやストレスとかの、良くない感じのものを、波がさらっていってくれる場所、です。これは絶対に。
景色の大きさ、波の音、光と色、におい、潮風。そういういろんなものがいっぺんに体を包んでくれる。中でも私が好きなのは音。風や波の音。話がどんどん脱線していくのを自分で察知しつつも更に脱線しますけれども(苦笑)、私が大学の卒業論文を書いている時、参考文献の中に「西洋人の耳(もしくは脳)にはノイズとして認識される鈴虫の鳴き声であるが、日本人の耳には音楽に近いものとして認識される」というようなことが書いてあったのを読んで驚いたのをよく思い出します。確かに、子供の頃から聞いている鈴虫の鳴き声を、別に雑音と思って聞いたことはないんですよね。セミの鳴き声だって、真夏の暑さを助長させるように感じることはありますが、ノイズだと思ったことはありません。むしろ四季を演出してくれるものだと感じていますよね。波の音も、なんとなくこれに似ているような気がするんです。もし波の音をノイズだと感じてしまったら、それが鳴り止まない海にいることは本当に辛いことかもしれません。だけど私が感じるのはむしろ、私の体の中の雑音を波の音の振動が相殺してくれる感じ。そして、更に新たな音楽で満たしてくれる、みたいな(笑。きゃー、熱く語ってるよ、ワタシ。

というわけで、妙に甲板で1人「ぼーっ」とする私を、ひょっとして日立化成ポリマーの皆さんは後ろで心配そうに眺めていたかもしれないのですが(笑)、実のところ私は、鳴門の海に五感を通して癒されていたのでした。
旅はみんなでわいわい楽しくやる瞬間も大切ですが、1人の時間を上手に作ってしっかり浸るのも大切にしたいなぁ。まあ、心配かけるのは好ましくないけどもね。



さて、この写真は何かというと、さっきは下から見た大鳴門橋、実はその橋桁の中には「渦の道」という遊歩道があって、橋の中程まで歩いていくことが出来るんです。遊歩道には所々、床にガラスがはめ込まれていて45m下の海面を見下ろすことが出来るんです。これ、結構恐い。私はこのガラスの上にはたてませんでしたが、覗き込んでいたら「あ!渦!!」。分かります? プチ渦潮発見!! わーい、初・鳴門の渦潮だ~♪

渦潮を見ることが出来た私の近くにいたとあるオジさまは「なんか、でっかいラーメンどんぶりを上から見てるようだなぁ」と仰ってました。あは、ナルト!ナルホド!!

そして、四国のしめのゴハンと言ったらこれでしょう!!
ご一緒した皆様と、天ぷらと冷や奴とビールで乾杯した後に出てきたのが、



うどん!!
程よいコシの強さがツルンと舌を打って、おいひ~っ☆
すだちを搾った大根おろしとつゆを絡めてまたツルン。ひゃぁ、おいひ~っ☆

こうして無事に徳島での滞在を終え、元気に東京に戻った諸岡でありました。

あぁ、書いてたらまたうどん食べたくなってきたぁ~。(←晩ごはん前でお腹が減っているだけの私である)

徳島でお世話になった、日立化成ポリマーの皆様、新ばし連の皆様、楽しい時間をどうもありがとうございました!!
また、来年!?!?(笑。







追記:
私が文中で紹介している「鈴虫の鳴き声は西洋人にはノイズに、日本人には音楽に聞こえる」という説ですが、これを読んで下さったある方から、あまり好ましくない引用なのではないかとのご指摘がありました。これは、1970年代に「日本人の脳」などの著書を発表された角田忠信(東京医科歯科大)教授の理論だそうですが、現在の私がきちんと調べ直した上で皆さんに紹介していれば、ひょっとすると今回のように好意的な書き方はしなかったかもしれません。また、私が学生時代に読んだ文献はこの教授の著書ではなく、それを引用して書かれた二次的なものだったため、本来の理論に第三者の異質な主観が介入していた可能性も大いに考えられます。「鈴虫の鳴き声が西洋人にはノイズとして聞こえる」という表現は、当時の私にはとてもショッキングなものだった為に、現在でも忘れられず、このように引用してしまったのだですが、この表現はもともとの角田理論に対して正確なものではないようですし、この理論の信憑性自体をもう一度見直してから責任を持ってご紹介するなりすべきだったと思います。当時の私と同じように、これを衝撃的に受け止められた皆様には非常に心苦しいのですが、この理論は現段階では世界中に認められた信憑性の高い理論とは言い切れませんので、どうしても気になるという方には、それぞれに文献などをひもといて頂き、それぞれに解釈、評価して頂いた方が良いかと思います。とにかく、曖昧な記憶のまま、そのような説を皆さんに紹介してしまったことを、お詫びいたします。また、ご指摘くださったSさん、どうもありがとうございました。これに懲りずに今後ともお付き合い、ご指導いただければと思います。