そう、早く寝なきゃならない日に限って、目が冴え渡ってしまう私。それに加えて今夜はテレビで『ニューシネマパラダイス』をやっている。今まさにやっています。
明日の仕事の準備をしながら何気なくテレビを見ると、ため息の出る様な映像が次々に映し出されて、いつの間にか釘付け。

港の倉庫みたいなものの壁に映写機が向けられて、天然色の映画が上映されている。つまり観客はみんな屋外で見ている訳で、人によっては、海に船を浮かべてその上に立って見ていたりする。いいな~。
しかし、壁のスクリーンに背を向ける様に寝転んで、大学に進学する為に遠くに引っ越してしまった恋人のことを思って憂鬱になるトト青年。降り出した雨に周りの人たちは駆け出していくのに、その雨をひとり感傷的に楽しんでいたら・・・、突然真上に恋人の顔が現れて、甘いキスで再会。「すごい嘘をついて帰ってきたの」なんて笑顔でささやかれながら。

そっか、恋人に会う為に、両親に嘘をついたり、遠い街からバスを乗り継いだりして、やっとの思いでたどり着く。そんな行動力を喚起する程に、恋って言うのは力を持ったものなんだよなぁ。なんか瑞々しい生命を感じさせられる。

一方で、やっぱり自分が、現代の、東京の、大人として、生きているんだなぁと実感して、ちょっと切なくなってしまう。今日ばかりは、(自称)万年思春期の名に恥じ入ってしまうよ。なんか、子供の頃はもっと突飛な想像力があった様な気がするんだけど、やっぱり大人になるとある程度、状況から想像力を働かせたりする様になってるものなんだなぁとかね。

廃屋を探検したり、枯れかけた雑草の中を突き進んでって偶然そこにお墓を見つけて背筋が凍る様な思いをしたり、大きなハチの巣を見つけて逃げながら競争してたり。私の子供の頃は、今からは考えられない位、大地の上に生きていた。それはある意味すごく恵まれていたんだなと、今は思うね。一生懸命思い出そうとすれば、そういう記憶のストックを引っ張り出して来れるから。

それにしても『ニューシネマパラダイス』は改めて、詩を散りばめたみたいで素敵だねー。エンディングはちょっと落ち込みかけた私を励ましてくれる様な、夢見心地な映像たち。
愛だね、愛!

寝なきゃだけど、ますます元気。けど、寝れれば夢見は悪くなさそうだ!