子のいない夫婦 | 名古屋市,岡崎市の相続,遺産分割,遺言に強い弁護士のブログ|愛知県

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名古屋・愛知の相続,遺産分割,遺言相談さんのブログ「名古屋市,岡崎市の相続,遺産分割,遺言に強い弁護士のブログ|愛知県」です。最近の記事は「渉外相続(一部の相続人が外国に居住している場合)」です。

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お子さんがいないご夫婦で、「自分たちには子供がいないから家族で相続で揉める心配もなく安心だ」と思われている方が、時たまいらっしゃいます。

しかし、相続対策を何もしていないと、子のいない夫婦の相続は、かえって厄介になることが多いです

それは、例えば、子のいない夫婦の夫が亡くなった場合、夫の法定相続人は妻だけではないからです。

夫の両親が存命であれば、妻と夫の両親が相続人となり、全員で遺産の分け方を話し合う必要がでてきます。

話し合いがうまくいく間柄であればいいですが、嫁と舅姑の立場で、なかなか妻も気が重い手続きになることもあります。

また、夫の両親がすでに他界している場合は、夫の兄弟姉妹が相続人となり、その兄弟姉妹も亡くなっているときは、兄弟姉妹の子(甥や姪)が相続人となります。

世代によっては兄弟姉妹の人数も多いので、全員で遺産分けの話をまとめるのは大変で、なかには夫の生前から疎遠となっていることもあり連絡先も知らない、といったケースもでてきます。

このような苦労を、残された妻にさせないためには、「私の全財産を妻に相続させる」というような遺言を書いておく必要があります。また妻が先に亡くなる場合に備え、妻も同様に夫に相続させる旨の遺言を書いておきましょう。

さらに、夫が上記の内容の遺言を書いておいた場合でも、妻が夫より先に亡くなってしまうと、「妻に相続させる」とした部分は効力がなくなるとされるので(参考:最高裁平成23年2月22日判決)、妻以外に財産を受け継いでもらいたい人があるときには、『予備的遺言条項』として、「万が一、遺言者より前にまたは遺言者と同時に妻が死亡していた場合は、全財産をAに遺贈する」と書くとよいでしょう。

また、遺言を書くだけでは対策は万全とは言えません。

兄弟姉妹が法定相続人になる場合には、遺留分(最低限保証される相続分)はありませんが、父母が法定相続人になる場合には、父母に遺留分があるのでその対策をしておく必要があります。

遺言の内容を父母の遺留分を考慮した内容にするか、あるいは遺言では「妻へ全部相続させる」としておき遺留分の請求を受けた場合にそなえその分の金銭を確保しておくとよいです。

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