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「子どもに親の離婚をどう伝えたらいいのでしょうか?」
「子どもが両親の離婚によってショックを受ける程度をできるだけ少なくしたいのですが・・・」
「子どもに面会交流をどのように説明したらいいかわかりません。」


離婚に際し、このような気持ちを抱かれる方も多いと思います。


しかし、ネットや本で調べてみても、養育費と面会交流については多くの情報があるのに、離婚に対する子どもの気持ちについての情報はほとんどないのではないでしょうか。


私は、子どものころ、絵本や児童書を読んでもらったり、自分で読んだりすることが大好きでした。その影響か、今でも絵本売り場によく行きます。


そこで感じるのが、「最近、離婚をテーマにした絵本が増えてきているな」ということです。中には、子どもの心理や福祉についてより深い理解をしてもらうという目的で、家庭裁判所で活用されている絵本もあります。     今日は、そのような絵本をご紹介し、絵本の利用について考えてみたいと思います。

 

 

<家庭裁判所で活用されている離婚に関する絵本>
  • 『ココ、きみのせいじゃない はなれてくらすことになるママとパパと子どものための絵本』(太郎次郎社、2004年)   
  • 『あしたてんきになあれ』(未知谷、2005年)   
  • 『パパどこにいるの?離婚のお話』(明石書店、2006年)幼児向き   
  • 『おうちがふたつ』(明石書店、2006年)小学校低学年向き   
  • 『恐竜の離婚 変わっていく家族のために』(明石書店、2006年)小学校中学年以上中学生向き
  • 『パパはジョニーっていうんだ』(BL出版、2004年)

 

 

これらの絵本は、名古屋では、名古屋市立図書館においてあるほか、名古屋家庭裁判所の調停待合室にも置いてあり、調停の待ち時間に自由に読むことができます。

このうち、『恐竜の離婚 変わっていく家族のために』という本は、なぜ離婚するのか、離婚によって、家族にどういう変化が起こるのかをビビッドな絵とともにわかりやすく書いてあります。
 

 


また、両親が離婚することになった際に、子どもが持つであろうさまざまな感情(怒り、戸惑い、罪悪感、喪失感等)を理解し、その感情にどのように向き合えばいいのか、まで丁寧に書かれています。

この本の語り口は、あくまでも子どもが自分で読んで、自分の気持ちを整理することを意図しているようにも思えます。
しかし、それに限られず、離婚当事者である両親が読んで、子どもが両親の離婚の際にどう感じるかを理解し、子どもに対する必要な配慮を知るためのツールとしてもとてもよい素材だと感じます。


次に、家庭裁判所で活用されているわけではないですが、離婚について取り上げている児童書で、私が好きな本を、ご紹介したいと思います。




『モモちゃんとアカネちゃん(モモちゃんとアカネちゃんの本3)』松谷みよ子 (講談社、1974年)
 

 

 


この本は、松谷みよ子さんの自伝的な童話であるモモちゃんシリーズの3巻です。子どもが小さいうちは読み聞かせてあげられるし、大きくなったら自分でも読めるのでいいと思います。

 

パパの靴だけが家に帰ってくるようになる、死神が来る、魔女のような森のおばあさんのところに相談に行く、など童話で離婚を語ることのすごさ、恐ろしさ、が感じられます。もっとも、絵や語り口がやさしいので、本当に童話としても楽しめます。

 

モモちゃんのシリーズは6巻まで続いていきます。パパとママが離婚した後も、アカネちゃんとお父さんが会ったり、ママとモモちゃんが「もしもママがお仕事でいないときに大地震とかが来たら、パパが助けてくれるよね」、と話しをしたりするなど、離婚後の父と子の関係が童話に登場することも興味深いと思います。

 

『夕日のうた』日台愛子(あかね書房、昭和48年)
 

母親が、若い彼氏を作って家を出て行った後で、残された父と子どもたち(姉(小学校6年生)と弟(小学校2年生))が生活してく状況を、姉の目線で語った本で、母が学校へ尋ねてきたり、弟が病気になったりすることを通して、家族が成長して行く話です。


学校での友達や先生とのやり取りや、家での父と子どもたちのやり取りのなかで、登場人物ひとりひとりのお互いに対する気遣いややさしさが細やかに描写されています。また、子ども二人を男手ひとつで育てる決意をした父、弟の母代わりになろうとする姉、母に会いたいことを姉に言えず苦しむ弟、そして出て行った母の気持ちなど、それぞれの決意や苦悩も細やかに描写されています。
古い本なので書店では手に入りにくいかもしれませんが、とても考えさせられる本だと思います。

 

※恐竜の離婚と、モモちゃんとアカネちゃんの本は、事務所にありますので、お越しいただいた相談者様で興味のある方は、スタッフまでお申し付けください。



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