『弁護士のためのビジネスマナー』セミナーに参加して | 名古屋市,愛知県の弁護士・税理士|より良いサービスを目指して経営品質を学ぶブログ

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 弁護士法人名古屋総合法律事務所は、相続 (相続税を含む)・離婚・交通事故・債務整理・不動産法務・中小企業法務 (使用者側の労働事件) の6分野に特化した専門性の高い法律事務所です。

1. 弁護士ドットコム主催の『弁護士のためのビジネスマナー』セミナーが2019年4月24日に名古屋でありました。

当事務所から、私と田村弁護士、大野弁護士、川村弁護士の4人が参加しました。
名古屋駅前の会場に、二十数名の弁護士が参加しました。
大半が昨年12月もしくは今年1月に弁護士になった71期の新人弁護士ですが、私を入れて3名の60歳代の弁護士がいました。

2. セミナーでは、

第一に、『弁護士業はサービス業である』ことの理解が求められました。
そして、挨拶、お辞儀、動作と立ち居振る舞いの練習、
身だしなみのチェック、
正しい言葉遣い=尊敬語と謙譲語を間違えないようにの練習、
「報・連・相」で、コミュニケーション能力のアップと報告する際の留意点の学習、
名刺の受け渡しの練習と訪問時の場面別留意点の学習、
正しい席次の理解、
エレベーターの乗り降りと席次、そしてお見送りのお辞儀の練習、
会議時のマナー、
手紙やメールのマナー、
を学び、最後に『サービスの5S』でまとめでした。

3. 講師は、10年間ほど大手国際法律事務所などで弁護士秘書をした経験のある坪田まり子氏です。

坪田氏は、はじめに、当時自分たち弁護士秘書のもとに、多くは紹介で来られたお客様から弁護士の対応について、たびたびクレームが入った経験談を話されました。
「横柄すぎる」
「上から目線で話をする」
「自分が話すことに夢中になり、こちらの話を聞いてくれない」
「感じが凄く悪かったです」
「紹介されて来たが、がっかりしました」などなどのクレームが多くあったそうです。

4. はじめに

坪田氏は、はじめに、
お客様は一体何を、弁護士である皆様に、期待しているのでしょうか?
 →問題解決
 ⇒サービス
  (1)的確かつ効率の良い対応
  (2)相談者・依頼者に安心感や満足感を与えること
 ⇒(1)だけでなく(2)が加わって初めて高いお客様満足を実現することができる。
CSとは、相手の心の満足度を常に考えること
ホスピタリティとは、心を込めたサービスの提供
 ⇒おもてなしの心
と図解され、『弁護士業はサービス業である』ことを強調されました。

5. 坪田氏は、その著書「士業者が身につけたい顧客をつかむ面談術」(出版社:清文社(2016/5/6))で、

「依頼者の気持ちを考えない、傲慢で押し付けがましい言い方」、「まだ若いくせに専門家ぶっている」などと多くのクレームを集めた若いエリートの男性弁護士は
「なめられてはいけない」と思っていたそうです。と述べられています。

弁護士業界では、『弁護士業はサービス業である』との認識はいまだ一部です。
名古屋総合リーガルグループは、弁護士・税理士・司法書士・社労士と多数の行政書士有資格者からなり、士業間の気質・風土の違いを経験しています。
士業の世界のなかでも、弁護士業界だけは特異な存在で、サービス業であるという認識を有している方はかなり少数か一部と思われます。

現在でも、多くの弁護士の方々は、弁護士は司法権力の一躍をになう行使者であり、「侍」であることをしきりに強調され、『弁護士業はサービス業である』と考える弁護士に対して、ビジネス的だと批判する方もいらっしゃいます。

 

経済のサービス化という産業構造の大きな変化のなかで『弁護士業はサービス業である』として専門的サービスをホームページなどで広告する法律事務所・弁護士に対して、「弁護士としての品位に欠ける」という方も多くいます。
そして、未だ相談者や依頼者になめられないようにと、弁護士は「威張って話す」・「偉そうに振る舞う」ことを強調され、若い弁護士にそのように教育される方も見えます。

参考に、さむらいさむらひ【侍】の意味
1. 武士一般の総称。転じて俗に、(なかなかの)人物。?「大した—だ」
2. 昔、貴人の身辺を護衛した上級武士。

また、私は、(何かをミスして、失敗してそれで)困って助けてほしいと弁護士に相談したのに、話をろくに聞いてもらえずミスとか失敗を怒られ、「高いお金を払って怒られただけだった」などと、弁護士に対する強い不満を聞くことがよくあります。
誰でも、失敗すること、ミスすることがあります。
問題は、失敗やミスをどのようにカバーして問題解決するかです。

そして、弁護士は相談者や依頼者の協力者として、『誠実である真摯である最善を尽くす』して、問題解決に当たることが職業として求められているはずですが、現実はなかなかそうではないようです。

そのような環境の中で、当事務所では今までもそしてこれからも市民と中小企業の皆様により良いサービスを提供することを目的とし皆様の問題を解決していきたいと考えております。

6. 坪田氏は、月間弁護士ドッココム19号(2017.4.1)掲載の「全国一斉アンケートから分かった!『選ばれる弁護士』と『選ばれない弁護士』」に言及されました。

このアンケート調査では、
「実際に弁護士に相談した人は何で探したか」について、「紹介」の割合が急減し、「インターネット検索」が増加して最多、1位となっています。
「弁護士に相談する場合事前リサーチするか」について、事前リサーチする割合は9割を超え、そのうち9割以上が「ホームページ」でと回答しています。
「弁護士によるインターネット広告をどう思うか?」という広告活動について、一般の人々は82%がポジティブまたはなんとも思わないと回答し、マイナスのイメージは18%と、広告活動に肯定的な回答がでています。
「弁護士に依頼する際に重視する点」について、専門性・実績と人柄・信念・信条が拮抗して、1位、2位となっています。
「弁護士経験が3年未満でも信頼できそうなら依頼したい」との回答が25.8%あり、単純なキャリアより、信頼できるか否かが重要であることがわかります。
そして、アンケート結果では、事務所規模は関係なく、弁護士の実力と人柄を重視しているということがわかります。
すると、若手弁護士の課題はいかに信頼を得るか、与えうるかということになります。

このアンケート調査は2017年のものです。
私は、「紹介」の割合は更に減少していると思っていますし、これからも減少していくと思います。
「紹介」は、過去弁護士数が僅かであって一般の人が弁護士・法律事務所にたどり着くのが難しかった時代の遺物なのです。

金融機関等は紹介責任の問題から、現在では弁護士の紹介に消極的です。また、会社員なら誰もが勤務先会社に顧問弁護士を紹介してもらい自分の離婚事件を依頼したいとは思わないでしょう。
この社会の変化に気づかない弁護士の方が、若い弁護士の方も含めて多く見えるのも事実です。
ただ弁護士数が増えた結果、市民の皆様や中小企業の皆様が身近に弁護士を直接ないし間接的に知ることが多くなっていくことだけは確かです。
身近で信頼できる弁護士に相談・依頼する傾向は高まると思っております。
私は、これからは、地域密着型弁護士・法律事務所の時代と考えております。
市民の皆様や中小企業の皆様からは、地域に根ざした弁護士・法律事務所が求められると思います。

7. 最後のまとめでは、坪田氏は、

『サービスの5S』として
(1)Speed 迅速に
(2)Smile 笑顔で
(3)Sincerity 誠実に
(4)Study 勤勉に
(5)Smart さっそうと
を強調され、
弁護士は、『何を言うかよりも、どう見えるか、どう聞こえるか。』が重要だと認識して、
one of themからonl yoneへ
相談者や依頼者から選ばれるたった一人の弁護士になりましょう。と結びました。

8. 私は、かねて、『弁護士業はサービス業である』であると、『誠実である真摯である最善を尽くす』ことを事務所理念としてきました。

これに、『迅速に笑顔でさっそうと』を加えていきたいです。
また、私は、坪田氏の著書であります『士業者が身につけたい顧客をつかむ面談術』(出版社:清文社(2016/5/6))を早速2冊購入しました。
若手弁護士の啓発活動に活かしていきたいと考えております。

9. 最後に、私のこのセミナーに参加した感想を述べます。

私は仕事の成果=考え方×熱意×能力と考えております。
私の体験で、2017年頃、ある弁護士向けのセミナーで、講師の事業再生の専門家が『法律相談でパソコンを使わない弁護士は最低の弁護士である。』と弁護士に対する不満を話された事がありました。
そのセミナーでは、その講師の講演後主催者が出席の弁護士の方々に失礼しましたと謝られたことが印象的でした。
しかし、私は、講師の方と全く同感でした。私もそう考えていたからです。

法律相談では、相談の内容、情報をインターネットで確認しながら、相談をその先その先へと展開していくことが必須です。
現在は、スピードと正確さが求められているのです。後日また相談しましょうという時代ではないのです。

正しい考え方で、熱意をもって、相談することが、相談者、依頼者の利益になるのです。
そこには、相談者や依頼者になめられないようにと、弁護士は「威張って話す」・「偉そうに振る舞う」ことなどは考えもされないことです。
「威張って話す」・「偉そうに振る舞う」ことなどを考える弁護士には、正しい考え方で、熱意をもって、相談することなど、また、相談者、依頼者の利益になることなどは、彼らの頭の中にはないのです。

当事務所は、弁護士全員に、10年前からノートパソコンとスマホを支給しています。そして、法律相談に入るときは必ずノートパソコンを持参して相談に迅速に対応するようにしています。
これからは、ますますスピードと正確さが求められる時代になります。
私は、これからは、相談者・依頼者の利益のために、パソコンをフルに使いこなせる弁護士が、その熱意、故に選ばれる時代になると確信しております。

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