たかが試算表、されど試算表 | 情熱は「運」をも引き寄せる

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名古屋の経営コンサルタント「MPC」代表原田の言いたい放題

グァバシュース好きです、原田です。


ちょっとマニアックなアプローチをします。


資金調達における「試算表」の役割です


銀行融資において読者の方や中小企業の社長さん、税理士さんやコンサルさん


なら既に感じておられることと思いますが


基本的に融資をするための審査は大筋


「過去会計」に基づいて行われます。


よく、「決算書3期分を用意してください」と言われます。


これまでの業績がどうであったかを重要視するわけですね。


そして決算から半年前後経過していると求められるのが


「試算表」


当期の業績推移を見図る重要な資料となるわけです。


今期の決算予測は?赤字推移?黒字推移?


と予測するわけです。


で何を気にしているか???


単刀直入に言います。


信用格付けです。


融資を受ける企業のほとんどの融資先が「信用格付け」をされます。


ほとんどというのは「信用保証協会扱いのみの融資先や少額融資先は原則格付け不要」


とされているため中には格付け未取得の融資先も稀に存在します。


格付けとはわかりやすく言うと融資先のランク分け


金融機関によって異なりますが 10ランクから20ランクで判断されます。


中身は「正常先」「要注意先」「要管理先」など


この格付けによって金融機関は


「貸し倒れ引当金」を充当する比率が定められています。


つまりそのリスク度合いによって金額、金利、期間、保証条件などが決まります。



話を戻すと


「試算表」で当期の格付けが落ちるか上がるかを予測するんですね


直近決算までは「正常先」と判定されても次回決算に「要注意先」となってしまっては


融資条件がコストに見合わなくなってしまいます。



ここまでは机上論


逆のケースでは?


直近期までは赤字でも試算表が黒字なら?


実は6か月以上経過している「試算表」には


「暫定格付け」というシステムが金融機関には存在し、直近期の決算格付けに依存せず


融資判断を任意ですることが認められています。


あくまでも任意がミソですが・・・


金融機関が融資したければ(融資したくなければ)暫定格付けを判断材料に使ってください。


というものです。


資金調達のためには「試算表」も黒字の方が良いということになります。


もう一つマニアック


試算表段階において


減価償却は計上していますか?


未計上ならP/Lは利益増の試算表が出来上がります。


銀行員が減価償却未計上の試算表を受け取った場合


審査でどのような処理をするかが問題なのです。


基本的には見積もり計上という手法がスタンダード


前年度の償却額を参考にある意味適当に償却額を加味します。


前年度の償却額をそのまま加味するパターンはアクロバティック!


償却額を無視するパターンはファンタスティックです。


これは有利不利という概念を取り除き


金融機関に提出する試算表は税理士さん会計士さんに依頼して


減価償却計上をしっかりと計上してもらいましょう。


銀行員の勝手なテクニックで不利に転じないようにすることも重要です。