《先行特別編》2018年6月 オリエント・エクスプレス(VSOE)乗車記 【その1】 | 名古屋人マイラーの徒然旅日記 ~空ときどきテツときどき…?~
「永年の夢を叶える旅」の夢から醒めて、現実世界に引き戻されること約1ヶ月…
【前編ダイジェスト】https://blogs.yahoo.co.jp/kanada516/15130604.html
【後編ダイジェスト】https://blogs.yahoo.co.jp/kanada516/15130851.html
 
上記ダイジェスト記事をアップしましたところ、特にオリエント・エクスプレス(VSOE)関する反響が想像以上に大きかったため、現在連載中の約2年半前に旅したイタリア旅行記がまだ完結していない段階ではありますが、今回記憶が新鮮なうちに、この乗車記だけでも先行して公開させていただく運びとしました。
イタリア旅行記…、果たして無事「帰国」できるのかますます不安になってきましたが、どうか気長にお付き合い願えればと思います。(笑)
それ以前にお忘れの方がほとんどかと思いますが…(笑)
先日ダイジェストでお伝えしました10日間にわたる「永年の夢を叶える旅」のメインイベントは、この「オリエント・エクスプレス」に乗車することでした。
それはさかのぼること今から約30年前の1988年秋
ある一定年代の方には記憶に残っている方も多いかと思いますが、オリエント・エクスプレス(当時はNIOE[ノスタルジー・イスタンブール・オリエント・エクスプレス]現在運行終了)が来日し、全国的にオリエント・エクスプレスフィーバーが巻き起こりました。
(※ちなみに今回乗車するのはVSOE[ベニス・シンプロン・オリエント・エクスプレス]です。)
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(画像はWikipediaより引用)

日本で走行した「オリエント・エクスプレス '88」の詳細につきましては、下記Wikipediaの記事をご参照ください(手抜きでスミマセン)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%B9_%2788

当時●学生だった私は、名古屋のJR熱田駅で開催された展示会に足を運び、目の前に広がる異国の豪華列車の姿にとても興奮したことを今でも鮮明に憶えています。
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牽引機がEF58というのも当時の時代を物語っていますね。
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ホームには「日立オリエント・エクスプレス’88」の横断幕が掲げられています。
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当時はまだテツ一筋で、飛行機には何の関心もないウブなお年頃でした(笑)
話は逸れますが、久しぶりにこの写真を見返した時、(当時の体型をみて)あの頃に戻って人生やり直せればなぁ~と心から思ってしまったコトはここだけの話です…(笑)
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(それぞれ1998年11月12日 JR熱田駅にて撮影)

この車両に対する思い入れを語ると話が進みませんので割愛させていただきますが、この蒼きプリマドンナに一目惚れしてしまった私は、「いつか絶対に乗ってやるぞ!」という強い夢を幼心に抱くようになり、今回こうして約30年越しの夢の実現に至った訳です。
実現まで約30年の歳月がかかってしまいましたが、強い願いと信念を持てばいつか叶うものなのかな?と感じた瞬間でもありました。(笑)

本来でしたら、これからチケット予約をはじめとした「事前準備編」を本編開始前にお伝えしたいところでしたが、これまた決行に至るまでの紆余曲折がありすぎて、本編に進めなくなりそうな気がしてなりませんので、気になる料金等をはじめとした各種情報につきましては、この旅行記終了後にお伝えできたらと考えております。
場合によっては心が折れて、かなり割愛するかもしれませんが…(笑)

前振りが長くなりましたので、そろそろ本編に移りたいと思います。(笑)
 
旅の始まりはロンドン・ヴィクトリア駅(前日に撮影)
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開業から150年以上経過した駅構内は、歴史とモダンさが融合した雰囲気を醸し出していました。
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駅の喧騒から離れた2番ホームの一角に、VSOEの専用エントランスが設けられています。
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この頃時刻は820
受付開始は845と記載されていましたが、専用エントランスはすでにオープンしておりました。(ちなみに出発予定時刻は1045です
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入口には乗客用にふるまわれるカフェコーナーが用意されています。(セルフではなく専任アテンダントが淹れてくれます)
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マグカップはオリジナルのようです。
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中に入ると、左手にこのようなチェックインカウンターが設けられています。
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まだ受付開始25分前でしたが、すでにチェックイン可能とのことでしたので、ありがたく一番乗りで手続きをさせていただきました。(笑)
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ちなみにチケット類をはじめとした専用キットが自宅に届いたのは、旅行出発5日前(乗車日8日前)という結構ギリギリのタイミングでした。
こちらが手元に届いた瞬間、いよいよ夢が現実になったのだなという高揚感が出まくっていたことは言うまでもありません。
(キットの詳細につきましては、乗車記終了後の各種情報記事でお伝えする予定です。)
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バスポートとバウチャーをスタッフに渡して、チェックイン手続きが始まります。
ちなみに今回の乗車区間は、ロンドン~パリまで約9時間半の鉄旅となります。
(本当は終点ベネチアまで乗車する予定でしたが、紆余曲折を経てこうなりました。詳細については別記事にて。)
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冊子型のバウチャーの1ページ目を開けるとこのようになっていて、すでに名前は刻印されています。
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右ページがチケット欄になっていて、チェックイン時にはじめて座席番号等が記入されるシステムになっています。
ちなみにロンドン~パリ間を乗車する場合、英国内は「ブリティッシュ・プルマン車両」、ドーバー海峡横断は「専用バス」、欧州大陸内は「ワゴン・リ車両」と車両の乗り換えが必要となります。
なので、チケットにはそれぞれの指定座席が記入され、
ブリティシュ・プルマン車両→「ZENA号 8番座席」
専用バス→「1号車」
ワゴン・リ車両→「D号車 9番個室」といった具合になります。
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左側に取り付けられているのは預け荷物の引換証です。
チェックイン時に大型スーツケースなどの荷物を預けることができますので、車内では身軽な状態で過ごすことができます。
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ちなみに事前に送付されてきたキット内には、このような専用ラゲッジタグが用意されております。
厚紙製でゴムがほつれていて、思っていたより安っぽい印象を受けてしまったのは私だけでしょうか?(笑)
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無事チェックインを済ませたあとは、出発まで専用ラウンジでまったり過ごします。
内部はこんな感じです。
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決して広くはありませんが、上品な雰囲気は漂ってきます。

ただし、ドリンク類はエントランス前にありますカフェコーナーと、ウォーターサーバーが用意されているだけですので、アルコール類はもちろんのこと、フード類のサービス等は一切ありませんので注意が必要です。(2018年6月現在)
まぁ、食事は車内でのお楽しみということでしょうかね?(笑)
ちなみにこのエントランスの隣にはスタバとマックが併設されていますし、ロンドンを代表する巨大ターミナルですので食糧確保には事足りません。
 
マホガニーの寄木細工が、さりげなくオリエント・エクスプレスらしさを演出しています。
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19世紀~20世紀初頭当時の駅構内に掲示されていた各種ポスターも展示されています。
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まさにアガサ・クリスティ作品に出てくるような、王侯貴族や一部の特権階級者だけに乗ることが許された、優美な世界が伝わってくるようでした。

余談ではありますが、もちろん出発前にこちらの作品を鑑賞して、事前学習も怠りませんでしたよ。まぁ、実際に殺人事件が発生することはないでしょうけどね…(笑)
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車内のブティックで販売されているオリジナルグッズも展示されていました。
一番人気はダントツでベアだそうです。
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こちらは化粧室。
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広くて清潔なことはもちろん、便器も実際の車内で使用されているものに準じたデザインになっていて、細部にわたってこだわりを感じ取ることができました。
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小さなラウンジではありますが、乗車前から旅のテンションを上げてくれるスポットではあるかと思います。

なお、こういった専用待合室はこのロンドン・ヴィクトリア駅のみ設置されている施設で、パリ東駅やベネチア駅には設置されておりませんので、出発前から少しでも高揚感を味わいたい方はこのロンドン発の便に乗車されますことをオススメいたします。(笑)
 
さて、一番のりでチェックインしていた時はガラガラだったラウンジ内も、みるみるうちにごった返してきました。
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普通の空港ラウンジなどとは一味違った客層の紳士淑女が続々と集まってきて、独特な雰囲気が漂ってきます。
改めて自身が場違いなトコロに来てしまったのかな?といろいろな意味で緊張感を持ち始めてきた瞬間でもありました。(笑)

入線時刻30分前ともなると、ラウンジ内のキャパを超えてしまい、エントランス前にも多くの乗客で溢れ始めてきました。皆さんこれから始まる旅にワクワクしている雰囲気が伝わってきます。
わかりづらいですが、専用ホーム前はガラスの扉で仕切られており、この時点ではまだ内部に立ち入ることができません。イメージ 33
 
そして1013、ついにブリティッシュ・プルマンの姿が見えてきました。
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専用機関車に牽引されてゆっくりゆっくりと入線してきました。
その機関車はなぜかDB(ドイツ鉄道)マークが…?
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眼の前のガラス扉が開けられると、いよいよ夢の旅が始まります♪
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【つづく】