最近はボードゲームの話題が多いのですが、私のお仕事のメインは教材開発です。
ですので私が勝手に呼んでる「スロープ化」のお話をします。
大人(先生としときましょう)と子ども(生徒)がいます。
先生は生徒に漢字を教えねばいけません。
教えて、覚えれば任務完了。
山登りに例えるなら、山の上まで登れば任務完了としましょう。
なぜ、山を登るのか?
(なぜ漢字を書くの?)
登るといい景色が見えるよ
(書けると便利だよ)
僕、いっくら書いても書けないよ
(登ろうとしても登れないよ)
そんなところで、スロープ化の出番。
難易度として
崖登り
⇩
山登り
⇩
山歩き(ハイキング)
⇩
階段を登る
⇩
ピクニック
⇩
スロープを登る
⇩
自動
⇩
登らない
という選択があったとします。
昔の先生は、「とにかく漢字をたくさん書けば覚えれます」とノートにたくさん書かせてきました。
山登り、崖登りをさせてきたわけです。
楽しく登れた子は良いです。
落ちた子は?
登れなかった子は?
二度と登りたいとは思いません。
崖を登るには適切な指導と、命綱が必要です。そしてそれを楽しいと思える人しかやれません。
崖登りを失敗した経験のある子は山自体に興味を失います。
漢字を書くにを脳が拒否している子は、(経験上)数年間漢字に見向きもしません。
(そして現在はお医者さんも「LD書字障がいの子どもに1日に同じ漢字を書かせるのは3回まで」と言ってます)
楽しく山歩き!
それも難しかったら、ハイキング
スロープでも上まで行ければ大丈夫!
そんな安心がまずは必要です。
「そんな事言っても、3月までにこの漢字を全部覚えなきゃいけないんですよ」
って言う方たまに見えますけど……
それ大人の都合ですから(キッパリ)
本人が目的持って「富士山でなくてもこの山までは登りたい」と思わせるのが大人の役目だと思いますよ。
はい、そこでウノ(UNO)のお話。
漢字教材よりは説明しやすいんでウノでスロープ化の説明をします。
ある子どもがカードゲームのUNOのルールを覚える事になりました。
ルールをマスターする事がゴールとします。
難易度の高い順に遊び方
説明書をつけて「やっといて」と丸投げ
⇩
「分かんないところは聞いてね」
⇩
一緒に遊ぶ
⇩
ルールを図に書いて分かりやすく説明
(ルール、アイコンの意味づけ)
⇩
難しいカードを取り除く
⇩
数字だけのカードを使う
こんなところでしょうか?
基本的には下から(数字だけ)教えていくのが良いでしょう。
楽しさを覚えてきたら「ジャンジャーン、あなたはレベルアップをしたのでこの『スキップカード』を使えるようになりました。おめでとう!」としてください。
その次は、リバースカード、ドロー2カードと覚えていけば良いのです。
もちろん説明書だけ渡すのは、ありえません。
(でも計算ドリルとかで同じ事してませんか〜?)
今日はこんなところで
NPO法人教育心理研究所
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