先日テレビ番組の「アメトーク」でボードゲームの紹介がなされたそうですね。
ボードゲームの流行は確実に来ています。
他でも専門店や遊ぶ場所が増えてますね。
研究所では10年以上前から療育にボードゲームを使ってましたから、「流行」の二文字で終わらせるわけにはいきません。
なぜボードゲームを療育に取り入れるのか?
を考えてみます。
簡単に言いますと……
①目的がしっかりしている
②コミュニケーションがとれる
③お値打ち!
何のことか説明していきます。
①目的がしっかりしている
ボードゲーム(ドイツ系ボードゲーム)は基本的に「役割になりきって目的を達成する」ものが多いです。
いわゆる「ごっこ遊び」「おままごと」をスルーしてきたであろうASD児には、「役になりきる最高のチャンス」です。
役割が生まれにくい「アブストラクトゲーム」(囲碁やUNO)は、「頭を使って楽しむ」「みんなで楽しむ」と目的はさまざまですが、ドイツ系ボードゲームは「作り手がゲームに役割と目的を持たせている」事が特徴です。
年齢や発達段階に合わせたチョイスとカスタマイズ(各種ジグゾー)を間違えなければ、まず誰でもボードゲームで遊べます。
種類の多いこともボードゲームの利点です。
②コミュニケーションがとれる
最大の目的はコレですね。
ボードゲームはASD児でもコミュ障の人でも「ゲームというバリア」のおかげで、楽しく、傷つくことなく、安心してコミュニケーションが取れます。
遊ぶ時も安心して遊べれば、遊んだあとの親御さんの声も成長を感じる感想が多いです。(もちろん本人たちも「楽しかった」と言ってくれてます)
コンピュータゲームでは笑い声はあまり起きません。コミュニケーションが目的のゲームでは、笑い声が絶えません。
「腹がよじれるほど笑う」体験を伴うゲームも多いです。
大笑いしなくっても「終わった後にほんわかしたいい気持ちになる」事が多いんです。それがボードゲームです。
③お値打ち!
これは一般教材とボードゲームの値段のお話。
ボードゲームは通常1500円から高いものは1万円以上。多くはテレビゲームなどのソフトと同じぐらいの値段でしょうか。
これで何がお値打ちかというと「療育に使う一般的な教材」の値段に比べて何分の一という値段で買えるという事。
専門機関が作る教材は、発刊部数も少なくどうしても高くなってしまいます。医療図書と同じでどうしても高くなってしまうのでしょう。
療育専門のパズルでも教材でも数万円するのはザラです。
その点ボードゲームはお値打ちになっております。(何度でも遊べるし)
でも①でも言いましたが、様々なジャンルのゲームが目的を明確に持って、販売されているのですから使わない手はありません。
その子に合わせたボードゲームを選ぶポイントは、年齢、得意や苦手、ゲームの目的(頭を使う、手先を使う、ことば、数や形)など、いろいろあります。
ご家庭でもボードゲームをテレビゲームの代わりに買っていただけるとうれしいです。おもちゃ先進国(子ども用で教材も先進国)のドイツでは「年間玩具に使われるお金の約2割がボードゲームに使われる」そうです。
最後に…
ボードゲームは小説やマンガと同じです。
世の中に出ている全ての本は読めませんので、可能なら「名作」と出会ってください。
先日テレビ放送された「アメトーク」ではとんでもないゲームが紹介されたそうです。
番組は大人用ですし、お笑い系の番組なのですから仕方のない事だと思います。
マンガと一緒です。良書もあれば、悪書もあります。
子どもに素敵な時間を用意しましょう