事務所創立50周年特別企画『事務所の歴史を学ぶ大学習会』第2回学習会のご報告 | 名古屋第一法律事務所 お知らせ・ニュース
2018年06月28日

事務所創立50周年特別企画『事務所の歴史を学ぶ大学習会』第2回学習会のご報告

テーマ:お知らせ

 先日投稿致しました『事務所の歴史を学ぶ大学習会・第1回学習会のご報告』記事でも記載致しましたが、2018年6月、当事務所は創立50周年を迎えました。この記念すべき年に、所内でも何か特別な事ができないか、という話をきっかけに議論を進める中で、「そういえば、所員の中でも昔の事件を知らない人が増えたんじゃない?」という事に気付きました。

 

 次の50年に向かう為にも、ここで一度、事務所の過去を学ぶ事も大切なのではないか、という事で、“事務所の歴史を学ぶ大学習会”と称し、5・6・7月に毎月1回、3テーマずつ、過去の大きな事件に携わった先輩陣に、若手陣が質問をする、という形式で発表をして頂く機会を設けました。

 

 以下、6月11日(月)に行われた各発表のご報告です。

 

【労働戦線再編の問題】

(講師:田原弁護士、聞き手:長尾弁護士)

 労働組合は、経済情勢や運動路線の相違により結成や解散を繰り返し、現在、労働者と使用者の関係について、労使協調路線と労働者の権利の擁護・労働条件の向上のためには使用者と闘うことが必要だという路線に大きくは二分できるものと思われます。

 

 

 当事務所は1968年の設立当時から、労働問題、労働組合運動について、「労働者の権利擁護、労働条件の向上に資する」「労使協調路線では労働者の生活と権利は守られない」「労働組合が特定政党の支持を決定することは正しくない」「労働運動とその他の社会運動との協働」などを基本スタンスとして労働組合と関わってきました。

 

 日本自治体労働組合総連合(自治労連)の結成に至った過程では、全日本自治団体労働組合(自治労)が「自治労綱領」を投げ捨てて労使協調路線にたつ「連合」への合流を決めたことに対して、まともな自治体労働運動を守ろうとする労働組合、労働者の活動と連携して活動を進めてきました。

 

 その結果、旧自治労愛知県本部は自治労連愛知県本部として存続し、名古屋市職でもその組織を守ることにいささかの貢献ができました。

 

 今後も、経験を活かし、労働者の権利を守り、地位向上に尽力していく事務所でありたいと思います。

 

 

 

【名張毒ぶどう酒事件】

(講師:稲垣仁史弁護士、聞き手:青山弁護士)

「疑わしきは罰せず」

私が学生時代、初めて刑法を学んだ時、教授から真っ先に教わったのは、この原則でした。

 

名張毒ぶどう酒事件とは、名張市のとある公民館での集会の際にふるまわれたブドウ酒に毒物が混入されており、5名の死者を出した、いわゆる無差別殺人事件です。

 

警察の捜査が入った際、早い段階で自白を強要されてしまった奥西勝さん。しかしその後、一貫して無実を主張していました。第一審判決では無罪判決が出ましたが、その後の控訴審では一転、死刑判決が出され、その死刑判決が確定してしまい、その後、再審請求をしては蹴られる、という状況が今も続いています。

 

180度変えられた村人の証言。

 

第一審を担当した裁判官に「検察官の並々ならぬ努力の所産」との皮肉を言わせしめたほどの酷い状況で、奥西さんは“殺人犯”に仕立て上げられました。

 

奥西さんは、死の直前まで、病と闘いながら自身の無実を訴えていました。

 

学習会でこんなエピソードを聞きましたので紹介します。

 

ある時、獄中の奥西さんに面会した特別面会人が「死刑廃止の署名」を求めたところ、奥西さんは、「自分は死刑廃止論者ではない。名張の事件だって、自分はやってないから無実を主張しているだけだ。本当の犯人ならば、死刑も当然の事件だと思う。だから自分は、これには署名できない。」と言って署名を断ったそうです。

 

この言葉に、少なくとも奥西さんが犯人ではない、という事を私は確信致しました。

 

 法廷は、“真実を明らかにする場”。間違っても“犯人を作り上げる場”ではありません。司法は今一度、刑事事件の原則に戻り、しっかりと“真実”を見極めて欲しいと切に願います。

 

 

 

【原発訴訟】

(講師:北村弁護士、聞き手:山本弁護士)

 原発被害は史上最悪最大の公害と北村弁護士は語ります。

 

 東日本大震災後に脱原発の機運が高まり、全国各地で訴訟が提起されましたが、特に最近は勝訴判決がなかなか出ません。原因の一つに裁判所の原発訴訟対策があるのではないかと言われています。

 

老朽原発(高浜・美浜)廃炉の訴訟を名古屋で取り組むきっかけや当事務所の事務局としての役割なども北村弁護士から説明がありました。

 

原発問題の行く末を経済的な観点からどう見るのか、といった違った角度から山本弁護士が質問するなど、原発問題を様々な視点で知ることができました。

 

 

 

7月はいよいよ最終回。「たちばな事件」「イラク訴訟事件」「新幹線訴訟」を学ぶ予定です。次のご報告をお楽しみに!