【研究初回‼】1930’s 推定Peter’s 私物レザージャケット《破れリペア》 | SOUVENIR REPAIR WORKS ―革物リペア―

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魅せられたアメリカンアンティーク・ヴィンテージに特化したレザーリペアブログ

これは7年程前に愛知県の古着屋さんで出会いました。


1930年代のレザージャケット。


フロントは胸ポケット、TALONのボールチェーンが付いています。

Dポケもエポレットもない、シンプルなデザインがかなり気に入っています。







後ろは、アクの強い雰囲気のセンタープリーツ。

ヴィンテージ好きの方なら、この後ろ姿見たらすぐ反応してしまいますよね。


これを着てバイクに乗っていたら、

ついにある時破れてしまったのです。



初めはもっと小規模な破れでしたが、

どんどん大きくなりました…


袖の内側、脇近くの袖には

劣化してくると一番早く破れる可能性大な柔らかい革が使われている事が多いですね。

1930年代ともなると劣化し、革によっては和紙のように裂けます。


とは言っても 約80年前の物ですので、全体からすると 相当大切に着られたのだろうと思います。

特にレディース物は 状態良い物が多いように感じます。




↑以前はこのように裏から革をボンドで貼っていましたが、

表はどうにも出来ずにいました。



さて 開始。


以前貼った革は剥がし、破れの繋ぎ目全部をナイロンメッシュシートと革用接着剤で繋いでいきます。

※裏なので見えないですが、なんか白というのが嫌なので
今後はこのメッシュシートに代わる同等の強度&薄さの
黒や茶色のメッシュシートを探したいと思っています。




欠損している部分は型取りして、
別革を。








裏返すのが既に怖い。新たに破れそうで…。





木材など直す時と同様、サンドペーパーで削って段差を無くします。




しっかりと繋ぎ目に接着剤を充填し、
圧着。




繰り返して埋めていきます。

乾燥し、また削り、の繰り返し。





調色。

革用塗料は、水性ですが密着性もよく、
柔軟性もあります。

艶調整も可能。











一発目、手応えはありました。

写真では分かりづらいですが、質感があまりで
「なるほど…こうすれば良かったかも」

と色々改善点があったので、

この写真を撮影した時から、また手直しを加え、今はもう少し質感も近づいています。


とりあえずは、試しほぼ成功。

実際来てみての耐久性は、まだ今のところ分かりません。実用して様子見です。

しかしとりあえずはまた着られる事に
自分で感激しました。
何年ぶりだろう。

さらに愛しく思うのでした。




ではまた、近況報告アップします。


~SOUVENIR REPAIR WORKS~