世界初の自然採光展示を実現 理想的な陶磁器鑑賞が可能に 【大阪市立東洋陶磁美術館―自然採光展示― | なごみカルチャー

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美術館や博物館などで美術品を鑑賞する場合、照明機器の光によって美術品を鑑賞しているが、美術品の鑑賞にはそぐわないというのは誰しもが思っていることではないだろうか。

芸術家たちは、照明機器がない時代には自然光の中で、またロウソクやランプの灯りの中で創作してきた。その作品の本来の色調が、現代の照明機器の光の下では思うように味わえないという。とくに絵画や陶磁器の鑑賞は、光の種類や状態で影響を受けやすいといわれているからなおのことである。微妙な色合いや質感を味わうためには、一定の高度を保つ自然光のもとで鑑賞するのがもっとも理想的である。

東洋陶磁美術館では、このたびのリニューアルに際し、長年の課題であった照明について、青磁展示コーナーでは世界で初めての自然採光展示を実現した。光ダクト方式を開発することにより展示ケース内のみに自然光を導入、自然光による理想的な条件での陶磁器鑑賞が可能になった。

それは、前回の記事で紹介した国宝「飛青磁花生」など青磁器が並ぶ自然採光展示室である。展示ケース内の上を覗いてみてください。自然光がそそいでいる。照明光との違いを楽しむのも新たな発見があるかもしれない。




    自然採光展示ケース(左が国宝<飛青磁花生>)



      ケースの天井から自然光がそそぐ



          自然採光展示室



文・写真/ 渡邉雄二

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