重陽の話に戻るが、陰陽思想では奇数は陽の数であり、陽の極みである九が重なる日、つまり九月九日は「重陽」と呼ばれるようになったようだ。陽の重なりを吉祥とするようになり祝い事の日になったと言われている。別名「菊の節句」ともいう。菊花の宴で邪気を払い長命を祈った。「吉祥の鳥」である鶴と一緒に描かれている菊花紋も「吉祥文様」として日本の伝統美の象徴になっている。
一日遅れの中秋の名月と合わせてみると、菊花紋が名月に見えてくる。もし、名月の下に鶴が二羽飛んでいたら、と想像すると空想の世界がひろがっていく。
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リポート&写真/ 渡邉雄二
尾道・文化紀行 https://asulight0911.com/hiroshima_onomichi/