(前々回のつづき)
書く前におことわりを。
「すず」という名前はけっこういて、女優の広瀬すず、タレントの山之内すず、安達祐実ちゃん主演ドラマ「家なき子」の主人公の名前は相沢すず、漫画でアニメ映画にもなった「この世界の片隅に」の主人公は北條すず。
「すず」という女性名は意外なほどよく使われている。私の感覚で、4人のうち、「すずちゃん」と呼べるのは山之内のみ。あとの3人は呼び捨てのほうがしっくりいく。愛着という面でそれがいいという意味。
なので、山之内すずちゃんと表記する。
NHK Eテレで放送中の「3カ月でマスターする絵を描く」講座(毎週水曜21:30~22:00)【最終回は6月18日 全12回】。
先生は画家の柴崎春通(しばざきはるみち)先生、生徒役は山之内すずちゃん。柴崎先生はユーツーバーとしても活躍、初心者が楽しく絵を始められるようコツを伝えていく「おじいちゃん先生」として、広く知られている。
絵が得意ではないと言うすずちゃんがどんどん、絵が上手になっていく。習う前と習って描き上げた絵を比べれば、ビフォーアフターよろしく、その変化成長を見て取れる。なにより、すずちゃんの自信が芽生えた嬉しい表情と興奮ぶりは見ていて楽しいものだった。
(写真の下にも本文、つづきあり。最後まで読んでね)
柴崎春通先生。とってもダンディな先生
左が山之内すずちゃん。生徒役兼聞き手を担当
すずちゃんの作品「りんご」。左が習う前、右が習った後
左が習う前、右が習った後
すずちゃん自身もびっくりのこの違い。「犬を描く」
嬉しさがあふれてたまらない! 楽しさ満点な表情、すずちゃんは優秀なタレントさんだ
柴崎先生の教え方を聞いてみると、印象派の描き方に近い。風景や描く対象物を正確に再現することは考えず、それらしいものを描く、明るいところと暗いところ、色の持つイメージを活かして、立体感や奥行きにこだわって描いていくという手法だった。正確に描かなくていいから、初心者の山之内すずちゃんも気楽に絵筆を持てた。細かいことは気にせずに、大胆に大きく腕も使って伸び伸びと描いた。
そうしたら、すずちゃんでもとっても上手な絵が描けたのだった。
その手法のひとつを紹介すると、樹木の描き方を挙げるとわかりやすい。
生い茂った1本の樹木。葉の1枚1枚をていねいに描くかと言えば、そんなことはしないのだ。筆を上から突いて、筆先のケバケバ感で葉を表現した。描かない極意というサブタイトルがついた。ホントに細かいところは気にせず描かないのだ。全体が調和のとれた色合いの樹木になっていればそれでいいのだ。印象やイメージ重視というわけ。
そうすることで、すずちゃんもとっても良い出来栄えの絵になった。
筆を立てて紙を突くように
筆先のケバケバ感が葉っぱのように見えるではないか!
明るいところ暗いところを意識して描き分けながらすすめていく
完成した先生の作品
すずちゃんの作品
すずちゃんの習う前の作品
「かくかくしかじか」に出てきた大泉洋さん演ずる日高健三先生は、もしかしたら、草葉の陰から怒ってらっしゃるかもしれませんが。「こら、ちゃんと見て描け! 全然、違うじゃないか!」と。
でも、日高先生がやらせていたのはデッサンですからね。デッサンは正確に描き出す訓練。印象派の画家たちもデッサン力はある。正確な写し取りは基本のなかの基本。
映画「かくかくしかじか」に出てきた日高先生の作品とされる絵。実際は東山アキコさんの先輩・原崇浩氏の作品。海岸の波うちぎわと白い貝殻が描かれている。超スーパー写実な絵。まるで写真のよう
が、それ以上を目指し、自己表現力が求められるようになった。それで、初心者の方々も元気に楽しく絵画に取り組めた。
番組は明日を含めて残り2回の放送。すずちゃんのハイテンションも注目しながら見てもらえればと思う













