紀平梨花の修正能力のすごさを情報番組で具体的に解説していた。フィギュアスケートのルールに、「フリーでは、同じ型のジャンプを続けて跳ぶと減点」、「同じジャンプは2度まではいいが、3度跳んだら3度目は0得点」がある。
紀平の1本目のジャンプ、トリプルアクセルは失敗、単独のダブルアクセルとなった。直後の単独トリプルアクセルの予定をトリプルアクセルダブルトーループに変えた。ここだけを見ても、冷静な判断力と勇気ある決断力で評価高いが、それだけではなかった。
後で、トリプルルッツダブルトーループの予定の場面がある。ここで、紀平は2つ目のジャンプをトリプルトーループにしたのだ。これが大きかった。終盤の3連続ジャンプにダブルトーループが入っているからだ。つまり、トリプルルッツからの連続ジャンプで予定通りダブルトーループで済ませていたら3回跳んでしまうことになり、0得点になってしまう。だからトリプルトーループに変更したのだという解説だった。
演技の途中で計算して咄嗟の判断でやってのけた、すごい! と、コメンテーターたちは一同に感服していた。
私も、瞬時に適格な判断ができて実行できる紀平にはおおいに絶賛はしたい。
が、それで解説終わりとは、私としては物足りない。なぜ、紀平はそれができたのが重要に思えるからだ。
それは、ひとえに練習のたまものなのだ。いかに実のある練習をしているかだ。ジャンプに失敗はつきもの。もし、最初のジャンプを失敗したときはどうするか、あるいは、1回目は成功したとして5回目のジャンプ(トリプルフリップの予定)で転んだときはどうするか、どうするのがベストなのか、後ろの構成の修正をあらかじめ確認しておく。そして、いざそうなった場合、考えなくても身体が勝手に動くほど練習を繰り返しているのだ。そうでなきゃ・・・、演技の途中で考える余裕などない!
とっさの判断でやったのではない。最初から練習で、こう修正すると決めていたからにすぎないのだ。
失敗を含めての通し練習の繰り返し。あらゆる失敗を想定しての練習。これは半端ない練習量となろう。
先輩たちはどうだったか。
織田信成は同じジャンプを繰り返して0得点にしてしまうミスを何回もやった。村上佳菜子は演技の途中で、あるジャンプが抜けて、その後の演技で何を跳ぶべきか迷った。いまバラエティ番組の中で笑い話にしているが、要は2人とも、失敗を想定した練習の練習不足なのだ。
高い修正能力を持つ紀平梨花。練習態度に特に厳しい濱田見栄コーチが、紀平は真面目によく取り組んでいると褒めている。それくらい、実のある練習をしっかりやっているのだ。
解説者には修正能力の高さを絶賛するだけでなく、日頃の練習に対する努力こそ示して欲しかった。そこまで掘りさげて解説してほしいものだ。
そしてコメンテーターたちにも、紀平のその練習努力をおおいに誉めるコメントを言ってあげてほしいなと思うのだ