当時、忙しすぎるほどの生活をしていた高部、ある日、久しぶりに友達と部屋でくつろげた。そのうち、高部の「積み木くずし」の演技が話題になり、その迫真の演技を絶賛し始めた。
「ねえねえ、不良少女のセリフ、言ってみて」とお願いされた。その通りに演技をしてあげた。皆、喜んでくれた。そして、友達たちの一人、当時交際中だった彼が提案した。「どうせなら、ベッドに裸で布団にもぐってさー、タバコ吸ってるとこ、やってみせろよなー?」
高部は一瞬困惑したが、快く承諾した。言われるまま、上半身裸になり、布団にもぐった。そしてタバコを持った。彼がカメラを向けてきた。いつもの反射でにっこり笑って見せた・・・・、これが事の真相である。すなわち、単なる演技、単なるポーズだった。友達の要望に合わせた遊びにすぎなかったのだ。だから、高部は悪いことしたという意識は当然なかった。
もし、その時「わらべ」のポーズを取ってくれと言われていたら「わらべ」のポーズを取っていたし、「わが子よ」の演技をしてくれと言われてたらそのまま、そのドラマの主人公の演技をしていただろうと、現在の高部は振り返る。
それから3か月が経った。顔をこわばらせたマネージャーたち事務所の関係者たちが高部をホテルの一室に連れ込んだ。そして、「この写真はおまえか?」と聞いてきた。手にはFOCUSという写真週刊誌、持つ手が震えている。高部が見ると、あの写真が掲載されていた。「高部、タバコを吸ったのか!?」「この写真は本当か!?」 狭いホテルの部屋で他人数から矢継ぎ早に質問を受ける。高部は「はい」と答えてしまった。タバコを持ったのは事実だし友達のことを思って弁明しなかった。すなわち、ポーズを取っただけでそれ以上のことはしていませんとはっきり言わないで済ませてしまった。
20年以上経って、高部はその時の心境を語った。
「正直に話したつもりになっていた。それがどういう意味を持っているのかが理解できていなかった。悪いことしたとも思っていなかった」と。写真の持つ影響力の大きさを15歳の娘が知る由もなかった
写真から受けるみだらなイメージと未成年でタバコを吸ったということが既成事実となって歩き出した。1年間の芸能活動中止、CM、ラジオの降板、「わらべ」からの追放処分など、厳しく糾弾された。
高部のまわりで変わってしまったのは仕事上だけではなかった。