ドッグレスキューの、同窓生のえいちゃんが旅立ってしまいました。
最期の時まで、穏やかに過ごしている様子をブログを見るたび、わが家の初代犬なぎを思い出していました。

初代犬なぎ。
いわゆる捨て子ちゃんでした。
生まれて1ヶ月経つか経たないかで、親兄弟と離れてしまったので、
「わたしは人間」
と、思っているようでした。
キリッとした顔立ちのなかなかの美人さんです。

娘とは、本当の姉妹のように育ちました。


15才を過ぎ、何だか、顔立ちが幼くなったなと、思った頃に、突然立てなくなってしまいました。

獣医さんが
「厳しいお話をしなければなりません。」


経過観察中の脾臓の血腫が大きくなっている。
急速に血液凝固が進んでいる。
同時に溶血も進んでいる。
すぐに血腫を摘出しなければならない。
心疾患が進んでおり、治療は困難。

2週間前に、血液検査をしたばかりだったのに。
あまりにも急な変調にうろたえてしまって、まだ他にも詳しい説明があったと思うのですが、説明の意味が理解ができない、考えがまとまらない。


高齢で心疾患もあるなぎが、治療に耐えられるとは思えない。
しばらく沈黙をして、やっと言えた言葉は

「家で看ます。」

「娘さんを呼んであげてください。今日か明日かも知れません。」

当時、北海道の大学に行っていた娘に連絡をして、あと2時間程で帰宅、という時に、バタっと倒れ、身体は脱力し、失禁までしてしまいました。

逝ってしまう!
「もう少しでお姉ちゃんが帰ってくるから、まだダメ!」と、名前を呼び、さすり続けると、大きく深呼吸をして、目を覚ましてくれました。


翌日は、娘になぎを託して仕事に。

「なぎはどう?」
「にっこりして寝てるよ。」

「プリンも食べたよ。」
今までは、食べたくても、もらえなかったもんねぇ。


大好きなベランダからの眺め。少し歩けた。



まもなく、何も口にできなくなりました。
帽子は、くいだおれ太郎デス。

最期のその日、娘は実習で出かけなければならず、私は仕事を休めず、かと言って、1匹で置いておくこともできずで、私の職場へ。
同僚が皆んな、動物好きでよかった。



そしてその日、同僚たちに見守られて、旅立ってしまいました。


看取ることのできなかった娘ですが、落ち着いたものでした。


会いたいな、と思うと、砂漠で水を求めるように、会いたいよ、と思うのです。
でも、ポッカリと空いた穴には、すぐになぎとの思い出が溢れて、満たされるのです。


なぎが旅立って、すぐに、しおを家族に迎えました。
なぎがいなくなって空いた穴をしおで埋めようとしたわけじゃない。
なぎの穴は、なぎで埋まる。

そして、思いがけず、1年で空いてしまったしおの穴はしおで埋める。

だから、母さんの心は大丈夫。