皆さんこんばんは、遠野なぎこです。

『“摂食障害”の現実②』。

この“病”と闘う多くの人々は、日々決して心休まる瞬間なく生きています。

何故ならば、“食”というものは生き物にとって必要不可欠なもの…生きていく上で絶対に切り離す事が出来ないものだからです。

そのいのちの根源である“食”に振り回されている毎日に、心休まる瞬間がある筈がありませんよね。

だからこそ、束の間かもしれませんが症状が落ち着きお料理が出来たりお友達と『美味しいね』と笑い合いながら食事が出来る瞬間を…奇跡的に感じるのです。

涙が出そうな程に、嬉しいのです。

だって、次またいつ“地獄”の中を彷徨わなくてはならないのか…どの位その時間が続くのか未知な訳ですから。

これは決して後ろ向きな意味ではないので、どうか誤解なさらないで頂きたいのですが…結局どれだけお話をしてもね、《完全な理解》というのは難しいとも思うのです。

私達だって、目に見える見えないは別として自らが経験した事のない“痛み”や“揺らぎ”を完全に理解する事は無理なのと同じですから。

ただ…
誰かの何気ない《たった一言》で、心を抉られ“あの空間”に堕ちてしまう可能性がある“病”だという事だけは少しだけ知っていて頂きたいのです。

…『太ったね』
…『痩せたね』

こんな言葉だけでも、《死》をも意識する人間がいる事をどうか知って頂きたいのです。

そして、繰り返しますが…“摂食障害”は自分の意志でどうにかコントロールを出来るものではないという事実を。

ご友人、ご家族、パートナーがこの“病”に苦しみ『どう対応していいか分からない』というメッセージを戴く事があります。

この問題に関して、私から言える事。
それは、『そっと見守ってあげて下さい』という事だけです。

食べ物を普通に食べられない、時には気持ちが不安定になる、自殺願望を口にする、攻撃的になる…そんな受け入れ難い現実も有るかと思います。

“闘い”は、決して綺麗事では済まされません。

ただ、そこに揺るぎない『愛』があるのであれば…出来れば“自然の行動”のように“まるで気にしない”かのように接してみるのも一つの方法ではないかと思います。

『吐きたい』と言えば、『行ってらっしゃい』。
『吐いたな』と思っても、知らんぷり。

『食べない?』と聞いて『食べない』と返されれば、『オッケー』位の感覚で接してみる。

“否定”や“強要”や“指摘”は、間違いなく逆効果。

『よく食べたね』『頑張ったね』⇦良かれと思っての言葉であっても、実はそれも危険。

『食べ過ぎだろ』『だからそんな身体になるんだよ』と、頭の中で言葉が変換されて焦りこれまた症状が悪化する場合もあるからです。

私の場合は、何も指摘されずフンワリと極自然に接してもらえるのが一番気持ちが楽でした…実際“症状”が一時的に出なくなった経験もあるのです。(⇦それが結婚離婚にも影響しているのですが、まぁその話はもういいや(笑))

友人関係もそんな空気感がある相手だからこそ、現在心地良く成り立っています。

あとね、例えば飲み会等で(家に居る方が楽なので、もうほとんど行きませんが)『あんまり食べないんだね』『その割に…』なんてデリカシーのない事を言われたら、『私は“摂食障害”なので、自分のペースで食べさせて下さい。それから身体の管理は出来ないので、悪化しないように指摘しないで欲しいです』と伝えます。

言い方がキツイと思われるかもしれませんが、自分で自分を守ってあげなきゃ…万が一その後悪化しても誰も責任をとってなんてくれませんから、年齢を重ねハッキリと言うようになりました。

長々とお話をしましたが、これはあくまでも私自身の経験から考えての“現実”です。

※“拒食”が進み、栄養を摂る液体であれ食事であれ通院や入院であれ…周囲が強要しなければ、命に関わる場合もありますからそれはまた別の話になります。

皆んな、それぞれに何かを抱え…悩み、苦しみ、不安の中生きています。
“絶対的な安定”なんて、世の中には存在しませんから。

ほんの少しの《優しさ》と《愛》を持ち接してもらえる事で、人生を救われる人が沢山います。

勿論、自分自身にもそう常に言い聞かせ生きて行きたいと思います。

悩み、苦しみ、不安を一ミリでも良いから上回る“喜び”のある人生を一人でも多くの方が送れるよう…心から願っております。
なぎ
P.S
最初は“アメンバー限定”にしましたが、より沢山の方に現実を知って頂きたいと思い解除しました。
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