弟・・・朝の電話 | 凪の時間 (滑膜肉腫と共に)

凪の時間 (滑膜肉腫と共に)

高校1年生の時に滑膜肉腫を発症した息子の記録です。
約6年の闘病生活。転移、所術は数知れず。
亡くなる瞬間まで生きることに全力を傾けた息子の生の姿です。
2023.11.19以降は、母の想いを綴る独り言日記に変わりそうです。

 

姉から、朝8時に電話があった。

 

父母はもう逝ってしまったから、緊急を要する電話なんて無いはずなのに。

 

弟が、運転中に胸と背中に激痛が走り、救急車で長野の病院に運ばれたらしい。

 

姉夫婦がこれから向かってくれると言う。

 

弟は、父母に謝っても謝り切れない程の迷惑をかけた。

 

ずっと消息不明で、父母が亡くなってから財産分与のためにお願いしていた司法書士の人に探してもらった。

 

今は真面目に働いていた。

 

葬儀には来れなかったけど、お墓参りには来たらしい。

 

私も最近何度か連絡を取っていた。

 

「あなたのしてきたことを、許せるかどうかはまだわからない。だけど、せっかく姉弟なんだから、連絡は取って行きたい」と。

 

母譲りだったら心臓かもしれない。

 

大動脈解離かもしれない。

 

嫌な想像だけ頭を走る。

 

父が連れて行こうとしているのかな?

 

最後まで弟のことを心配してたから。

 

まだ早い。

 

そんなに焦らなくてもいい。

 

どうか無事でありますように。